2024.02.22

火災報知器の設置は義務?マンションリノベーションの際には新しくした方が良いの?

分譲マンションや賃貸でも集合住宅に設置されている火災報知器について皆さんは気にされたことはありますか?

これからマンションの購入を検討されている方は、ぜひ火災報知器にも目を向けてみてください。命や健康を守るために火災報知器の設置は義務になっています。

リノベーションする時には火災報知器は新しくした方が良いのか。点検などはどのくらいの頻度であるのかなど普段あまり気に留めることのない火災報知器について解説していきます。

 

住宅用火災警報器の設置の義務化

住宅火災の死者数の増加や、高齢化社会の進展を背景にして、戸建てを含むすべての住宅を対象に住宅用火災警報器の設置を義務付ける消防法の改正が平成16年に行われました。

平成18年6月には新築住宅において全国で火災報知器の設置が義務化され、平成23年6月までには市町村条例で定める事とされた既存住宅への義務も既に全国で義務化されています。

火災報知器の設置率

火災報知器の設置は既存住宅でも義務化されていますが、設置の有無についての報告義務や罰則もないため、実際には設置されていないマンションもあり、2023年6月時点、一般住宅(戸建て、アパート、マンション)での設置率は全国で84.3%となっており、愛知県においては83.7%です。【引用;消防庁 住宅用火災警報器の設置状況等調査結果(令和4年6月1日時点)について

新しいマンションであれば、新築時に消防検査が行われ、半年に1度の消防設備点検と3年に一度の消防長又は消防署長への報告義務があるため基本的には火災報知器が設置されていると認識しても良いでしょう。

しかし、古いタイプのマンションの場合基本的には火災報知器の設置がされていることがほとんどですが、設置率をみてもわかる通り100%ではないので、しっかりと購入前に確認することが重要になります。

 

無垢材の木を天井にという発想は無かった。

 

火災報知器の種類

火災報知器の種類は大きく分けて二つになります。

煙式(光電式)

煙が住宅用火災警報器に入ると音や音声で火災の発生を知らせます。
※消防法令で寝室や階段室に設置が義務付けられているのは煙を感知する(煙式)住宅用火災警報器です。

熱式(定温式)

住宅用火災警報器の周辺温度が一定の温度に達すると音や音声で火災の発生を知らせます。※台所や車庫などで、大量の煙や湯気が対流する場所等に適しています。

他にも、火災・ガス漏れ複合型といって住宅用火災警報器とガス漏れ警報器の機能を複合した警報器もあります。

また、警報の仕方も二つに分ける事ができます。

単独型

火災を感知した住宅用火災警報器だけが警報を発します。

連動型

火災を感知した住宅用火災警報器だけでなく、連動設定を行っているすべての住宅用火災警報器が火災信号を受け警報を発します。

 

火災報知器の取り付ける場所

火災報知器は基本的には寝室と寝室がある階の階段上部(1階の階段は除く。)に設置することが必要です。
また、住宅の階数等によっては、その他の箇所(階段)にも必要になる場合があります。

ほかにも市町村の火災予防条例により、台所やその他の居室にも設置が必要な地域があります。愛知県名古屋市の場合は以下の様に定められています。

マンションやアパートなどの共同住宅については、それぞれ個人の住宅内のみが対象となります。

  1. 住宅内の各部屋や廊下などの天井部分に、自動火災報知設備の感知器かスプリンクラー設備のヘッドが設置されているかどうかを確認してください。どちらかが設置されていれば、その部分に住宅用火災警報器の設置は必要ありません。
  2. 寝室に使用する部屋の天井又は壁に設置します。
  3. 台所の天井又は壁に設置します。

なお、共用部分である階段、廊下、エレベーターホール、機械室、管理事務所等については設置する必要はありません。

【引用:名古屋市https://www.city.nagoya.jp/shobo/page/0000008552.html

 

リノベーションしたら火災報知器はどうなるの?

マンションの場合は定期的に消防用設備点検が行われます。これは火災報知器などの消防設備が適切に設置されているか、正常に動作するかの確認です。
リノベーションすると間取りを大きく変更することもあります。そのため、もとの間取りでは火災報知器がいらない部屋であっても、リノベーションをして寝室になった場合は火災報知器が必要になるのです。そのため火災報知器も間取りに合わせて移設・増設しなければなりません。

ほとんどのリノベーション会社ではしっかりと間取り変更に応じて火災報知器の対応もしてくれますが、万が一引き渡し後の消防設備点検で火災報知器の設置に違反があれば改めて工事をしなければならなくなります。

そういったトラブルを防ぐためにもご自身でも自治体の火災報知器のきまりについて確認しておくとよいでしょう。

 

まとめ

火災報知器はご自身の命ももちろんですが、周りに住んでいるほかの住人の方への被害も減らすことができるため、必ず設置する必要があります。

しかし、専門知識がないと建物の状態を判断するのは難しいかもしれません。できればしっかりと建物の状況を見極められる、不動産や建築の担当者と一緒にマンション購入前に見学に行くことをおすすめします。

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