マンションにお住まいのお客様から「冬は底冷えする」「エアコンをつけても部屋がなかなか涼しくならない」といったご相談をよくいただきます。
一戸建てに比べて気密性が高いと思われがちなマンションですが、実際には断熱性能に課題を抱えていることが少なくありません。
特に、築20年以上のマンションでは当時の建築基準も今とは異なり、断熱材やサッシの性能が十分でないことが多いのです。その結果、冷暖房に頼りすぎて光熱費がかさんだり、結露によるカビに悩まされたりするケースも見られます。
マンションが寒い理由と断熱の重要性
「マンションは気密性が高いから、寒さとは無関係なのでは?」と思われがちですが、実際には冬の寒さに悩む方が少なくなりありません。
その原因は、室内の熱がさまざまな場所から外へ逃げてしまっていることにあります。
熱の逃げ道は「窓・壁・床・天井」
室内で暖房をつけても空気を温めてもその熱は時間とともに外へ流出していきます。
中でも特に注意すべきは「窓・ドアなどの開口部」です。住宅の構造や面積比を考えると小さな部分に見えますが、実際には熱流出全体の約50%以上を占めるとも言われており、断熱の大きな弱点となっています。
コンクリートの構造がデメリットに?
多くのマンションで採用されている鉄筋コンクリート構造には、以外な落とし穴も。コンクリートは構造材として優れていますが、断熱性能が高いわけではありません。
さらに分厚いコンクリートは熱を蓄える性質があるために、夏場は日が暮れた後になってもコンクリートから、熱が室内へと放出され続け、室内温度を上げる場合があります。
そのため、一度室温が上がってしまうと冷房を効かせてもなかなか涼しくならない、という状態になりがちです。
最上階・角部屋は寒くなりやすい?
特に注意が必要なのが「最上階」や「角部屋」です。
これらの部屋は外気に接する面積が多いため、寒さや暑さの影響を受けやすい傾向にあります。
断熱対策が不十分な場合、真冬や真夏に居室の快適性が大きく損なわれることもあります。
このように、マンションの室温が不快に感じられる場合、その多くは建物構造と熱の移動に原因があります。
「どこから熱が逃げているのか」を正しく理解することが最適な断熱リフォームを行う第一歩です。
マンションの断熱リノベーションの工事方法
マンションの断熱リノベーションとは、具体的にどんな工事方法があるのでしょうか。
まず前提として、マンションの場合、外壁や窓サッシなどは共用部分にあたるため、個人でリフォームできません。
そのため専有部分である室内から壁断熱や、内窓の設置、あるいは(管理組合の許可を得たうえで)窓サッシのカバー工法といった工事が選択肢となります。
壁の断熱~乾式断熱と湿式断熱
マンションの外壁は共有部分にあたるため、壁の外側に断熱材を設置する工事(外断熱)はできません。
そのため、室内側に断熱材を設置します(内断熱)。
断熱材には、発泡スチロールなど板状の断熱材(乾式断熱)と、スプレーガンで吹き付ける泡状の断熱材(湿式断熱)があります。
乾式断熱は施工が比較的容易で、費用も湿式断熱にくらべ安価な点がメリット。
デメリットは、梁や柱の凹凸が多い物件では施工が難しい場合があったり、継ぎ目に隙間ができると気密性が低くなり、充分な断熱効果が得られない可能性があります。
湿式断熱は壁に隙間なく断熱材を充填でき、梁や柱の凹凸があっても高気密に仕上がるのがメリットです。
デメリットは、トラックにコンプレッサーを積み、ホースを繋いで噴射するため、物件の立地条件によっては施工できません。また高層階の場合も、ホースが届かなかったり、泡を圧送できないため、施工できません。
窓の断熱~内窓設置とカバー工法
窓サッシも共用部分にあたるので、勝手に交換はすることはできません。
そのためマンションの窓断熱でよく採用されるのが「内窓」の設置です。既存の窓の内側にもうひとつサッシを取り付ける工事で、二重窓・二重サッシとも呼ばれます。
もしくは、事前にマンションの管理組合の許可を取り、既存のサッシ枠の上に新しい窓枠を被せる「カバー工法」という方法もあります。
内窓設置は、管理組合の許可も不要で、カバー工法より安価にできる点がメリットです。
デメリットは部屋が狭くなること、窓が二重になるため開閉が面倒になり、掃除の手間も増えることです。
カバー工法は、既存のサッシに歪みや隙間が生じている築年数が古めの物件ではとくに効果的。既存の外窓に不具合が残っている場合、内窓を設置しても、断熱効果が充分に得られません。こうした場合は、内窓設置よりも既存サッシの歪みや隙間を覆ってしまうカバー工法のほうが効果を発揮します。
デメリットは、既存サッシのうえから枠を被せるため、窓の開口がひと回り小さくなることです。
マンションの断熱リノベーションの費用相場
リノベーションの費用は、規模や内容によって異なります。ここでは、窓廻りのリフォームのみの場合と、壁の断熱施工も行う場合に分けて解説していきます。
窓廻りのリフォームだけ行う場合
開口部(窓やドア)は、建物の中でもとくに熱の出入りが大きい部分。冬の暖房が逃げる原因箇所は窓からが58%、夏の冷房はさらに高く73%だという研究があります。
(※一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
したがって断熱リフォームを検討するにあたっては、まずは窓の断熱を考えたいところ。
内窓施工も、カバー工法も、工期は基本的に1日で、比較的気軽に実施できます。
工事費用は、内窓工法の場合、窓の大きさとガラスの種類(単層ガラスか複層ガラスか)で異なります。断熱性能が高い「複層ガラス」を採用した場合、腰高サイズ2枚立てで4~6万円程度、掃出窓2枚立てで8~10万円程度が目安となります。
※金額はあくまで目安です。実際の費用は、物件の状況や併せて行う工事によっても上下します。
カバー工法では窓の大きさとガラスのほか、サッシの種類によっても金額が異なります。断熱性能が高い「アルミ樹脂複合サッシ」「LOW-E複層ガラス」を採用した場合、腰高サイズ2枚立てで20万円~、掃出窓2枚立てで30万円~が目安となります。
※金額はあくまで目安です。実際の費用は、物件の状況や併せて行う工事によっても上下します。
壁の断熱も行う場合
壁の断熱も行う場合、既存の壁や床を壊して躯体を剝き出しにした「スケルトン状態」にして、断熱材を設置することになります。
内装の一新や間取り変更を伴うフルリノベーションの一環としておこなうのが一般的です。
60㎡の標準的なマンションの一室で、水廻り設備の交換・内装の刷新・間取り変更を行う場合は1,000万円~。さらに断熱工事を行う場合は1,200万円~。造作家具も取り入れる場合は1,500万円~が目安となります。
工期は、内容にもよりますがおよそ3ヶ月~4ヶ月。工事中は、既存の部屋を一旦解体するため住める状態ではなくなりますので、仮住まいが必須となります。
マンションの断熱リノベーションに使える補助金
近年は、断熱リノベーションに使える補助金や減税制度が充実しています。
窓の断熱改修と壁の断熱施工に使える補助金として「子育てグリーン住宅支援事業」内窓設置のみの場合でも使える補助金として「先進的窓リノベ2025事業」、カバー工法や内窓設置に使える補助金として「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」、「既存住宅における省エネ改修促進事業」といった制度が用意されています。
補助を受けるためには工事方法や利用する製品などに一定の要件があるので、こちらもしっかり工事をお願いする会社の担当者によく確認しましょう。
さいごに
この記事では、マンションの断熱リノベーションのポイントについて解説しました。
miyabiでは今回ご紹介した「内窓施工」「窓のサッシカバー工法」「各種壁断熱」といったリノベーション・リフォームに対応しております。
自宅の寒さや暑さがきになる、カビや結露に悩んでいる、光熱費が高いなど、住まいの断熱性能に悩んでいる方もmiyabiまでご相談ください。
補助金や減税制度もご利用もサポートいたします。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
▼▼施工事例▼▼
miyabiの事例一覧はこちら >> 施工事例
▼▼EVENT▼▼
見学会や相談会はこちら >> イベント
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
資料請求ページはこちら >> Click Here
ご来店問合せはこちら >> Click Here