リノベーションというと、「物件を購入したあとに考えるもの」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。まず住む家を決めて、それから間取りや内装をどうするか考える、という順番が一般的だと思われがちです。
ただ、これまで多くの事例を見てきた中で感じるのは、満足度の高いリノベーションにつながっているケースでは、物件探しの段階からすでに「リノベーション後の暮らし」をイメージされていることが多い、ということです。もちろん一概には言えませんが、リノベーションは物件が決まってから始まるのではなく、物件を探し始めた時点から、すでに少しずつ始まっているとも言えるかもしれません。
今回は、そう感じる理由と、物件探しの段階で意識しておくとよいかもしれないポイントについて、簡単にご紹介できればと思います。
「物件が決まってから」だと、選択肢が限られてしまうことがある?
「気に入った物件をまず購入して、あとからリノベーションで理想に近づけよう」という考え方自体は、決して間違いではないと思います。ただ、物件によって「実現しやすいこと」と「実現が難しいこと」に差が出やすい、という点には少し注意が必要かもしれません。
たとえばマンションの場合、構造によって間取り変更のしやすさが変わってくることがあります。壁式構造の物件では、動かすことが難しい壁(耐力壁)が多く配置されている場合があり、開放的な空間を希望されても、思うように実現できないケースもあるようです。一方でラーメン構造の場合は、柱と梁で建物を支える仕組みのため、内部の壁を比較的動かしやすいケースが多いと言われています。
また、水回りの移動についても、配管の位置や床下の高さなどによって、可能かどうか、またどの程度費用がかかるかが変わってくることがあります。物件購入後にリノベーションの計画を具体的に進めようとした段階になって、「キッチンの移動が難しい」「窓を大きくするのが難しい」といった制約がわかることも、実際には少なくないようです。
そう考えると、物件を選ぶ時点で、その後のリノベーションの可能性がある程度決まってしまう、という側面もあるのかもしれません。

物件探しの段階で、意識しておくとよいかもしれない視点
具体的にどのような点を見ておくとよいか、参考までにいくつかご紹介します。あくまで一般的な傾向としてお受け取りいただければと思います。
1. 構造を確認してみる
壁式構造かラーメン構造かによって、間取り変更のしやすさに違いが出ることがあります。内見の際に、不動産会社の方に構造について尋ねてみると安心かもしれません。
2. 管理規約を確認してみる
マンションの場合、床材の遮音等級や窓サッシの交換可否などが管理規約で定められていることがあります。「床暖房を入れたい」「窓を交換したい」といったご希望がある場合は、事前に確認しておくと安心かと思います。
3. 配管や配線のルートを想像してみる
水回りを大きく動かしたいというご希望がある場合、床の高さや配管スペースがどの程度確保できそうか、という点もポイントになることがあります。特に築年数が経っている物件では、配管の更新時期についても確認しておくとよいかもしれません。
4. 天井高や窓の位置、採光条件を見ておく
間取りは変更できても、天井の高さや窓の位置、建物の向きといった要素は変えることが難しい場合が多いようです。暮らしの快適さに関わる部分でもあるため、内見の際に意識してご覧いただくとよいかもしれません。
5. リノベーション費用も含めて予算を考えてみる
物件価格だけで予算を使い切ってしまうと、リノベーションに充てられる費用が少なくなってしまうこともあります。物件購入費とリノベーション費用をあわせて資金計画を立てておくと、あとから慌てずに済むかもしれません。
リノベーション会社に、物件探しの段階から相談してみるという方法も
こうした点を、専門知識がない状態でご自身だけで判断するのは、なかなか難しい部分もあるかと思います。そこで一つの選択肢として、物件探しの段階からリノベーション会社や設計士に相談してみる、という方法もあるようです。
内見に同行してもらったり、図面を確認してもらったりすることで、「この物件であれば、こういった間取りも検討できそうです」「この壁は動かすのが難しいので、別の工夫を考えてみましょう」といった具体的な意見を、購入前に聞ける可能性があります。
そうすることで、購入後に「思っていたのと違った」というギャップが生まれるリスクを、ある程度減らせるかもしれません。また、リノベーション費用も含めた資金計画を早めに立てられるため、住宅ローンの検討も進めやすくなるようです。

「どんな暮らしをしたいか」から考えてみる、という視点も
物件探しとリノベーションをあわせて考えることには、「暮らし方から逆算して住まいを選べる」というメリットもあるように思います。
たとえば「家族で食卓を囲む時間を大切にしたい」というお気持ちがあれば、リビングとキッチンを一体化できそうな物件かどうかが、選択の一つの基準になるかもしれません。「在宅ワークの時間を快適に過ごしたい」という場合であれば、独立した書斎スペースを確保できそうな広さや間取りの物件を探す、という考え方もあるかと思います。
このように、先に「どんな暮らしをしたいか」をイメージし、それを実現できそうな物件を選んでいくというプロセスは、駅からの距離や築年数、価格といった条件面だけで絞り込む場合と比べて、満足度につながりやすいのではないかと感じています。
まとめ
リノベーションは、工事が始まった瞬間から始まるものとは限らないのかもしれません。どんな物件を選ぶか、という一つひとつの判断が、その後のリノベーションにも少なからず影響してくるように思います。
物件探しの段階から、「この物件でどんな暮らしが実現できそうか」という視点を持ってみること。そして可能であれば、専門家に一緒に物件を見てもらうこと。この二つを少し意識してみるだけでも、リノベーション後の暮らしの満足度は変わってくるかもしれません。
理想の住まいづくりは、内見の初日から、すでに少しずつ始まっているのではないでしょうか。物件探しの段階から、リノベーションという視点も取り入れてみていただけますと幸いです。
私たちmiyabiでは、物件探しから設計デザイン、施工まで一貫してサポートするワンストップサービスを提供しています。理想の住まいづくりを実現するために、ぜひお気軽にご相談ください。
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