2023.01.21
不動産

マンションの寿命は何年?長寿命の中古マンションを見極める方法

分譲マンションの購入は、人生でそう何度も経験しない大きな買い物です。
気に入って購入したマンションにはできるだけ長く住み続けたいと思う人も多いのではないでしょうか。
特に中古マンションを検討している人は、「購入してすぐにマンションの寿命が来てしまったらどうしよう…」と考えているかもしれません。

そこで今回は新築および中古マンションの購入を検討している人に向けて、マンションの一般的な寿命や、寿命の長いマンションを選ぶポイントについてご紹介します。

鉄筋コンクリートの寿命は117年

鉄筋コンクリート造(RC造)マンションの物理的な寿命は117年と言われています。
国土交通省がまとめた「RC造(コンクリート)の寿命に係る既住の研究例」には、次のような研究例が掲載されています。

“実際の建物の減耗度調査のうえ、建物の減耗度と実際の使用年数との関係から、鉄筋コンクリ-ト造建物の物理的寿命を117年と推定。 飯塚裕(1979)「建築の維持管理」 鹿島出版会”

日本で117年を超える築年数のマンションはまだ存在しませんが、国内外で下記のような長寿命マンションの事例があります。

三井物産横浜ビル(現在:KN日本大通ビル):築110年
求道学舎:築95年
エンパイア・ステート・ビル:築90年

このように、マンションは築117年までであれば、問題なく住み続けることができるのです。

35歳で購入した築50年のマンションは人間より長生きする

厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は、男性が81.41歳、女性は87.45歳。一方、鉄筋コンクリート造マンションの寿命は117年。
実は、建物の方が30年以上も長生きなんです。

もし、35歳男性が築50年のマンションを購入すると、マンションはあと67年もち、人間の平均寿命を上回る102歳まで住める計算になります。

とはいえ、築年数が経過しているマンション購入に対して不安が残る方も多いと思います。過去には、短期間で立て替えられたマンションもありました。

なぜ、日本では、短期間で建て替えられるマンションが多かったのでしょうか?その背景について詳しく説明していきます。

日本でマンションの寿命が短いと誤解さている2つの理由

研究データ上はマンション寿命117年と言われていますが、日本のマンションはもっと早い時期に取り壊される印象を持っていませんか?そのイメージの背景には、次の2つの理由があります。

引用:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/294744

マンションの法定耐用年数が47年でそれが寿命と勘違いされているから
上の表は、建物の耐用年数を種別にまとめたものです。マンションの寿命とよく勘違いされるものに「建物の法定耐用年数」があります。法定耐用年数は、減価償却に用いられる数値で、この期間をかけて経費計上していくために税法で定められた数値です。

つまり耐用年数を過ぎたからといって住めなくなるという訳ではないのです。実際には、定期的に建物のメンテナンスを行うことで建物強度を保ち、長く住み続けることができます。

Ⅱ高度経済成長期に建物ニーズが変わり建て替えが起きたから
日本の建て替え寿命は、老朽化ではなく、ニーズの変化で決まっていたからなのです。
中古マンションの建て替え寿命は短く見えますが、本来はもっと長生きします。なぜなら、過去建て替えが起きた物件は、建物の老朽化ではなくニーズの変化に応じて建て替えられてきたからなのです。

短期間で建て替えが起きた背景として、十分に解明できているからではないが、戦後の日本経済の高度成長の影響が大きかったことの疑いの余地はないと指摘しています。
高度経済成長期以前に建てられた住宅は、必要最低限の設備で小さく簡素なものでした。高度経済成長をむかえた日本は、ゆとりあるスペースや、洋式のフローリング、空調設備などを求めるようになります。

こうしたニーズの変化に合わせてマンションが建て替えらたと予測されています。
実際マンションは建て替え寿命より長生きすると考えられます。

長寿命マンションをつくるのは住民の管理意識

長寿命マンションをつくるのは、住民の管理意識です。なぜなら、住民一人一人が管理意識を持つことで、部分的な老朽化を防ぎ、長期的な修繕計画が実現しやすくなるためです。

実際、三井物産横浜ビルや求道学舎は、管理組合や住民によって定期的にメンテナンスされてきたからこそ、築90年経ってもきれいなまま残っているのです。

マンションのメンテナンスを行うのは、管理組合だけではありません。
毎月の修繕積立金を支払うことはもちろん、専有部分で修繕すべき箇所があれば自分でメンテナンスをする必要があります。

では、数ある中古マンションから長寿命化マンションを見極めるには何をチェックすべきなのでしょうか?

長寿命マンションを見極めるポイント

中古物件を購入するにあたって、長寿命マンションを見極めるために重要なのが「管理体制」です。
管理体制がしっかりしているかどうか判断するポイントが2つあります。

・重要事項調査報告書
・住民マナー

建物を定期的に修繕しているか、修繕資金は十分に集められているか、住民マナーはどうか、といった、管理組合や住民の建物管理を知ることで長寿命マンションかどうか見極めることができます。

重要事項調査報告書とは、マンションの詳細データがまとまった書類です。
多くの場合売主側の仲介会社が持っていて、それを見せてもらうことが出来ます。

一方で、稀に重要事項調査報告書が存在しなかったり見せてもらえないケースもあります。その際は、担当の仲介業者に協力をしてもらい、類似情報を入手もしくは、買付を入れて閲覧権限を主張するなどの対策をとりましょう。
こうした場面で協力的な仲介業者は、住宅購入にあたって家探しの良きパートナーとなります。

重要事項調査報告書で確認できるのは次のような内容です。

大規模修繕
◎過去の共有部分修繕履歴
◎長期修繕計画の有無
◎大規模修繕実施予定とその概要

修繕積立金
◎直近の収支報告書
◎当年度の収支予算関係

建物の耐久性
◎耐震性能評価の証明
◎建物状況調査の結果の概念

●過去に大規模修繕工事を行っているマンションを選びましょう

大規模修繕の履歴があるマンションを選ぶことをおすすめします。なぜなら、中には大規模修繕を実施していないマンションもあり、修繕履歴がないと建物の管理体制や耐久性を判断しづらいためです。

国土交通省の調べによると、大規模修繕工事の周期を12年程度とした時、築40年以上のマンションの約4割、築30年以上のマンションの約2割で、適切な修繕を行うことができていないことが分かりました。

背景には、住人の高齢化や空き家問題による管理組合役員の担い手不足や、修繕積立金が回収できなくなっていることなどが挙げられます。

●修繕積立金がしっかり集金できているマンションを選びましょう

修繕積立金が滞りなく集金できているマンションを選びましょう。なぜなら、十分な内容で大規模修繕を行い、マンションの耐久性を保つことができるからです。同時に住民の管理に対する意識も把握できます。

修繕積立金の目安額は1万5千円程度です。管理費と合計すると、3万円程度になる場合もあります。毎月きちんと修繕積立金を支払うことで、10年後、20年後のマンション耐久性が向上します。

反対に、修繕積立金が安すぎたり、回収率が悪かったりすると、必要な時に大規模修繕を行うことができず、マンション寿命を全うできなくなるリスクがあるため注意が必要です。

また、築年数が経過しているのに修繕積立金が安い(1万円以下など)マンションは、将来修繕金が足りなくなり、多額の資金を追加徴収される可能性もあります。

●耐震基準や築年数よりも、管理体制を重視

マンションは、耐震基準や築年数よりも、管理体制を優先・重視して選ぶことをおすすめします。

マンションには、築年数によって「旧耐震基準」と「新耐震基準」のものがあります。

「新耐震基準」のマンションは、昭和56年6月1日以前に「建築確認申請」が役所で受理され、証明書が発行されているかどうかで判断されます。
もちろん、新耐震基準の方が精神的に安心かと思います。予算が許すなら、新耐震基準で管理がしっかりしているマンションがおすすめです。

ただし、「旧耐震基準のマンション=危険」というわけではありません。実際、東京カンテイの調査によると、東日本大震災で被害を受けたマンションのうち、旧耐震・新耐震の差は特にありませんでした。

このデータから分かるように、旧耐震基準のマンションが危険であるとは一概に言えません。気になる物件が旧耐震基準であった場合、建物調査を行ってくれる仲介業者に依頼をし、安全な物件かどうか判断してもらいましょう。

●内覧で管理体制を見極める

内覧の際、共有部の状態から住民マナーなどの管理体制を見極めることができます。次のポイントを確認してみましょう。

□ エントランスや階段など共用部分の清掃状況は確認したか?
□ 集合ポストは整理整頓されているか?
□ ゴミ置き場は整理整頓されているか?
□ 自転車置き場・駐車場は整理整頓されているか?
□ 廊下や階段の電気など壊れたままのものはないか?
□ 掲示板に古い掲示物が貼りっぱなしではないか?

これらの項目は管理者のメンテナンス意識、住民のメンテナンス意識を表します。
内覧の際には、家の中だけでなく、外の管理が行き届いているかなどもしっかり確認しておきましょう。

寿命を果たしたマンションに考えられる3つの可能性

寿命を全うしたマンションのその後には、「建て替え」、「敷地売却」、「大規模修繕」という3つの可能性があります。

建て替え・敷地売却に関しては、住民の4/5の同意が必要なため、マンションでは実現しにくくなっているのが現状です。3つの中でもっとも可能性が高いのは「大規模修繕で延命を続ける」方法だと考えています。

そのため、マンション寿命が近づいてもすぐに取り壊されることはないでしょう。そのぶん、住民による日々のマンション管理が重要になっていきます。

修繕積立金を納めたり、専有部分の設備をメンテナンスしたり、建物管理に参加することで、今あるマンションを資産として後世に引き継いでいくことができます。

さいごに

この記事では、マンションの寿命と、長寿命マンションの見極め方について説明してきました。

法定耐用年数はマンションの物理的な寿命を示すものではなく、あくまで減価償却のために用いる数値。税法上、減価償却期間を定めたもの。

◎過去に短期間で建て替えが起きたマンションは、老朽化が原因ではなく、高度経済成長後の生活様式の変化・ニーズの変化が原因と考えられる。

◎長寿命マンションを作るのは住民の管理意識

住民が管理者である意識を持つことで、部分的な老朽化を防いだり、長期的な修繕計画も実現しやすくなります。

「旧耐震基準=危険」とは一概に言えないため、気になる物件が旧耐震であれば建物調査をしてくれる仲介業者に相談するのがおすすめ。

また、内覧時に共有部分が整頓されているかどうかを見ることで住民マナーを把握でき、住民の管理意識をはかることができるます。

この記事からわかるように、築年数が経過していても定期的にメンテナンスをすれば長く大切に住むことができます。
こちらの記事を参考にマンション選びにお役立てください!
miyabiでは物件探しからサーポトしています。お気軽にご相談くださいませ。

 

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