インテリアを考えるとき、家具や壁紙にはこだわっても、床は「標準的なフローリングでいいか」と後回しになりがちですよね。しかし、家に占める床の面積は非常に広いため、シンプルなデザインを選ぶと空間全体がどことなく単調で無難な印象になってしまうことがあります。
そんな床に程よいアクセントを加え、お部屋の雰囲気を一変させてくれるのが、ヘリンボーン柄やパーケット柄のようなおしゃれなフローリングパターンです。足元にデザインが入ることで空間に奥行きと立体感が生まれ、いつもの家具まで特別に見えてくるから不思議です。
今回は、足元から住まいを格上げしてくれる「床の柄パターン」にはどのような種類があるのか、相性の良い素材感とあわせて調べてみました。
ヘリンボーン(Herringbone)

ヘリンボーン(英語表記:herringbone)とは、服飾の生地や建築のデザインにも幅広く用いられる模様の一種です。「herring」は魚のニシン、「bone」は骨を意味し、合わせて「開きにした魚の骨」のような形状に由来しています。
基本形は長方形やV字形を縦に並べた連続ストライプ柄で、長方形の木片を90度に差し違い、V字型が交互に連なるように組み上げてつくります。
洋風なイメージが強いヘリンボーンですが、実は日本でも古くから親しまれてきた歴史があります。日本の織物分野では杉の葉に見立てて「杉綾(すぎあや)」や「綾杉(あやすぎ)」と呼ばれ、建築の分野では「矢筈(やはず)模様」としても広く知られてきました。西洋のモダンな気品を持ちながら、どこか日本の和の空間にもしっくりと馴染むのは、こうした伝統的な背景があるからこそと言えます。
このV字の連続パターンには、視線を自然と部屋の奥へと誘導する効果があり、リビングなどの広い空間に敷き詰めることで、床一面に奥行き感とダイナミックなリズムが生まれ、クラシックでありながら現代のモダンインテリアにも見事に調和するタイムレスな気品を演出してくれます。
床材の枚数で変わるヘリンボーンの印象
山型と谷型が連続する美しい模様のヘリンボーン。張る枚数によってお部屋の印象をかなり変える効果もあります。
シングルなら細く繊細でエレガント。ダブルなら落ち着いて安定した印象。トリプルならしっかりと力強いイメージにもなります。張り方一つでここまで変わる柄というのがヘリンボーンの魅力とも言えるでしょう。
また木を床材にすると方向によって木目の見え方が変わり、フローリングに心地よいアクセントも加えてくれます。
ヘリンボーンに引き立つ「素材感」
オーク(ナラ)やウォールナットの無垢材
ヘリンボーンの美しい陰影を強調するには、木目がはっきりと現れる無垢フローリングが最適です。落ち着いた高級感を出すなら深いブラウンのウォールナット、北欧風や明るい雰囲気を目指すなら温かみのあるオーク材がマッチします。
タイル
大理石調のタイルやレンガ、モルタルなどの材質でヘリンボーンの床を作ると都会的でモダンなイメージを演出することも可能です。規則正しく並んだタイルのヘリンボーンの床にすることで、見た目の印象をワンランク上げる効果も期待できます。
フレンチヘリンボーン(French Herringbone / シェブロン)

参考:https://ikuta.co.jp/newscolumn/information/11929/
ヘリンボーンの進化系ともいえる「フレンチヘリンボーン」は、別名「シェブロン(Chevron)」とも呼ばれます。通常のヘリンボーンが長方形の木片を90度に組み合わせるのに対し、フレンチヘリンボーンは木片の端をあらかじめ45度(または60度)の斜めにカットし、V字の頂点が一直線(矢印状)に綺麗に揃うように貼り合わせます。
頂点が直線上にビシッと並ぶため、通常のヘリンボーンよりも鋭角で洗練された印象を与えます。クラシックさのなかにどこかシャープで現代的な「スタイリッシュさ」が同居しており、空間をすっきりとモダンに見せたい時に威力を発揮します。
フレンチヘリンボーンに引き立つ「素材感」
スモーキーカラーやグレイッシュ加工の木材
シャープな直線美を引き立てるなら、ホワイトウォッシュ加工やグレーオイルで仕上げたスモーキーな木質素材が抜群に合います。
パーケット
参考:https://www.r-toolbox.jp/store/product/4988/?srsltid=AfmBOooJABWopC0YPFP_np1NkAkwARS5ouMlBP3Dy_2IhGfGMsk14GY0
柄の特徴と空間への効果
「パーケット(市松貼り)」とは、小ぶりな木片を並べた正方形のパネルを、向きを90度ずつ交互に変えながら敷き詰めていく貼り方です。学校の教室や古き良き洋館などで見かけた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
パーケットがもたらす最大の効果は、どこか懐かしく親しみやすい「温もり」と「幾何学的な楽しさ」です。広範囲に敷き詰めても主張が強すぎず、規則正しい正方形のパターンが、空間に可愛らしくカジュアルなリズムを生み出します。ミッドセンチュリーやヴィンテージテイストのインテリアと非常に相性が良い柄です。
パーケットに引き立つ「素材感」
チークやチーク調のミディアムブラウン材
パーケットの持つレトロで味わい深い雰囲気を活かすには、経年変化で味わいの出たチーク材や、少し赤み・深みのあるミディアムトーンの木材がベストマッチです。使い込まれた木肌の質感が、柄の良さをより引き立てます。
ノーブルパーケット
参考:https://www.r-toolbox.jp/store/product/4704/?srsltid=AfmBOor5bSnVJVfH7_yddGKs5DiN6XpRKyp9h9Hn6GSHntaqEN7kxXI7
素朴でレトロなパーケットに対し、より重厚感と美術的価値を高めたのが「ノーブルパーケット」です。ヴェルサイユ宮殿をはじめとする欧州の歴史的建築物にも用いられる伝統技法で、正方形のフレームの中に斜め交差や十字模様などの複雑な組み木細工を施した、極めて贅沢な柄です。
単なる床材の枠を超え、まるで一枚の工芸品や大きな絨毯を敷き詰めたかのような圧倒的な存在感を放ちます。お部屋全体に敷くと、一瞬でクラシックかつハイエンドな邸宅の装いとなり、空間全体に気品をもたらします。
ノーブルパーケットに引き立つ「素材感」
スモーキーダークオークやアンティーク仕上げの重厚材
ノーブルパーケットの細やかな寄木デザインを際立たせるには、深みのあるダークブラウンや、年月を経たようなアンティーク加工が施されたオーク材が最適です。陰影が立体的に浮かび上がり、重厚な高級感が際立ちます
ハニカム(Honeycomb / ヘキサゴン)

「ハニカム」は、正六角形(ヘキサゴン)を隙間なく並べた蜂の巣状のパターンです。これまでの木目をベースとした直線的な貼り方とは異なり、曲線を思わせる柔らかさと有機的な幾何学デザインが特徴です。
ハニカム柄は、お部屋全体に敷き詰めるのはもちろん、特定のゾーンのアクセントとして取り入れるのにも優れています。近年では、ハニカム状のタイルとフローリングを境目でランダムに噛み合わせるように切り替える施工も人気を集めており、空間にドラマチックな変化をもたらします。
ハニカムに引き立つ「素材感」
セラミックタイル・フロアタイル
ハニカム柄の魅力をストレートに表現できるのが、マットな質感のセラミックタイルやフロアタイルです。ホワイト、グレー、ブラックなどのモノトーンをグラデーション状に組み合わせたり、マーブル柄のタイルを採用したりすることで、モダンでアートな足元が完成します。
まとめ
家のなかで大きな面積を占める床は、柄のパターンを取り入れることで見違えるほど豊かな表情を見せてくれます。今回ご紹介した5つの柄には、それぞれまったく異なる特徴と魅力があります。
どのような柄のパターンを選び、そこにどんな素材(木、金属、ファブリック、タイル)を組み合わせるかによって、お部屋の雰囲気は無限に広がります。
単調になりがちな床に自分らしいアクセントを加えて、ワンランク上のおしゃれな空間づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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