毎日使うキッチンはデザイン性も重視しつつ、油や水はねなどの掃除を楽にするために汚れに強い素材を選びたいという方も多いはずです。
しかし、キッチンの壁材には内装制限という条件が設けられており、壁材を自由に好きなものを選べるわけではありません。
そこで今回は多くの家庭で使用されている壁材、キッチンパネルとキッチンタイルについて詳しくご紹介していきます。

内装制限とは

建物内にあるキッチンなど火気使用室に設けられる制限のことです。制限を受ける場所は、天井や壁で、火災が起きた場合に火の燃え広がりや煙の発生を遅らせることを目的としています。
そのためキッチン周りは法律で定められた不燃性の高い材料を使わなければいけません。国土交通省が定める不燃材料は、以下のようなものが挙げられます。
コンクリート・れんが・陶磁器質タイル・鉄鋼・アルミニウム金属板・ガラス・モルタルしっくいなどなど。
ただし、お住まいの地域や集合住宅と戸建てでも制限内容が異なりますし、ガスコンロをIHに交換するなど、制限の緩和ができる場合もあります。

キッチンパネルについて

キッチンのコンロ周りの壁に貼る壁面パネルのことで、ウォールパネルとも呼ばれており耐久性や汚れ・ニオイが付きにくい素材を使用しています。素材によって、見た目や機能も変わってきますので、自分の好みに合わせて選びましょう。
キッチンパネルとして使われる、一般的な素材をご紹介していきます。

 

キッチンパネルの素材

メラミン化粧板
不燃材にメラミン樹脂で加工したものがメラミン化粧板メラミンであり、近年ではキッチンパネルの定番素材になっています。
耐久性や耐水性も優れており、また目地がなくツルツルした素材で傷もつきづらいため、掃除もしやすいと人気のある素材です。
メラミンのメリットは、加工しやすいので施工期間も短くお手頃価格なうえ、高度な印刷技術によって石目調や木目調など豊富なデザインがあることです。
デメリットは、印刷であるため本物の質感を感じられないことと、デザインによっては安っぽく見えてしまうことです。
シンプルなデザインの壁にしたい、掃除のしやすさを重視し、お手頃価格で気に入るものを見つけたいという方におすすめの素材です。

ホーロー
ホーローと聞くと、お鍋やタカラスタンダードのキッチンなどを想像する方も多いのではないでしょうか。実はキッチンパネルとしても使用されています。
ホーローは、鉄やアルミなどの金属の表面にガラス質の釉薬を高温で焼き付けてコーティングした素材です。鍋などに使用される程ですから、火にかけることができるほど耐熱性と耐久性に優れています。
他にも、ガラス質でコーティングしているため光沢があり、高級感のある雰囲気になります。
メリットは、マジックペンで書いてしまっても、水拭きするだけで簡単に落とすことができるなど汚れに強いことと、マグネットがくっつくことです。
ホーローはマグネットが引っ付くため、自分好みに収納ラックをカスタマイズでき、工夫次第では小物が散乱しがちなキッチン周りをスッキリさせることができます。
デメリットは製造しているメーカーが少ないため、デザインの種類が少ないことです。価格はメラミンのキッチンパネルよりは高くなります。
キッチンの壁にマグネットをくっつけたい、ホーロー美しさを魅力に感じるといった方におすすめです。

ステンレス
ステンレスは飲食店の厨房の壁で使われることが多いですが、住宅のキッチンでも使われます。ステンレス製のキッチンパネルは、プロが使うキッチンに採用されるくらい熱に強く耐久性が高いうえお手入れもしやすいというメリットがあります。
ただし傷がつきやすく、見た目はシルバーのシンプルなデザインしかないというデメリットもあります。
ステンレスは、スタイリッシュなキッチンに合わせたい方や、掃除のしやすさや長く使いたい方におすすめの素材です。

キッチンタイルについて

昔からキッチンの壁に使用されており、タイルは1,000℃〜1,200℃以上の高温で焼き上げられているため耐水性・耐火性・耐久性にも優れている素材です。
タイルは1枚ずつ貼り合わせて施工するため、種類が豊富なタイルを好きなように組み合せオリジナルの空間をつくることができます。
色や形、大きさも様々あり、キッチンパンネルでは出しにくい高級感が生まれます。
デメリットは、タイル部分は汚れがつきにくく、汚れがついても拭き掃除で落とすことができますが、目地(タイルとタイルの継ぎ目)部分に汚れが染み込みやすいため、こまめに掃除しなければいけないことです。目地部分のひび割れも起こることがあります。
また、施工費や材料費もキッチンパネルと比較するとかなり高くなります。
タイルはこまめな掃除が得意な方、人と被らないキッチンにしたいという方におすすめです。

タイルをキレイに保つコツ
キッチンは水はねや油汚れがたくさんつくので、毎日料理後に濡れたフキンでさっと拭くだけで、キレイを保つことができます。
タイル選びの面でも、タイルの表面がツルツルのものを選ぶと汚れは拭き取りやすくなりますし、目地は汚れが目立ちにくいカラー目地を選ぶといいでしょう。
また、大きめのタイルを選ぶと、目地部分が減るのでお掃除する箇所も減ります。

さいごに

今回はキッチンパネルとキッチンタイルの特徴についてご紹介しました。
キッチンパネルは掃除のしやすさや、施工期間が短く、価格帯もリーズナブルで、タイルはコストや掃除の手間はかかりますが、自分好みのオリジナル空間をつくることができます。ぜひ今回の記事を参考して自分に合ったものを選んでください。

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