2023.06.10
リノベーション

マンションの1階に住むメリットとデメリット

マンションの中古物件を探す中で、1階に限定して探してほしい、という方もいれば2階以上がいいと希望される方も。
1階の住戸は好き嫌いが分かれますが、専用庭が設けられている物件も多くマンションの住戸の中でほかのフロアとの違いがあります。

そんな1階の住戸を購入することにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

マンションの1階に住むメリットについて

まずは、1階住戸を選ばれる理由(メリット)について整理していきたいとおもいます。

●階下への気兼ねが不要

マンション住まいで気になるのが「音のトラブル」。
しかし、1階なら小さな子どもが毎日元気よくパタパタ走り回っても、階下に迷惑をかける心配をせず暮らせます。
子どもがバルコニーから転落する、といったリスクもないので、子育て中の安心感は高いはず。ただし、あまりにドタバタすると音や振動が隣や上階、時には斜め隣の部屋にも伝わるので、その点は注意が必要です。

●住戸へのアクセスが楽々

1階はエレベーターや階段などを使わず、部屋までアクセスできますよね。

車いす利用などの場合でも、段差を気にせずアクセス出来る物件が多いのも特徴となります。

●災害時の避難

上記アクセスと同じくですが、ドアを開ければすぐに外に出られることから、高層階に比べ災害時などの避難もスムーズといえることがおおいでしょう。
ベランダ側、玄関側どちらからでも外へ出られるのはメリットと言えます。

●バルコニーが大きかったり専用庭がついているケースが多い

バルコニーがおおきかったり専用庭がついていれば、ガーデニングやちょっとした子供の遊び場など、他の階とは違った使い方が出来るのもメリットと言えます。戸建感覚を持ちながらマンションを選びたいご家族などにも人気があります。

また、このような専用庭やバルコニーが大きければ、部屋とのつながりで他の階よりも開放感が出やすくなります。

●天井の高さが高い

マンションの1階は、エントランスホールとの設計高さに天井をあわせていることが多いです。そのためマンションの2階以上の住戸と比べて、天井の高さが高くとられていることがあります。実は1階は開放感が出やすいのです。

リノベーションで言えば人気のロフト空間なども取り入れやすいのも特徴となります。

●音の心配が軽減される

マンションの騒音問題は物件購入の際に悩まれるポイントの一つでもあるかとおもいます。

特に子育て世代にとっては、お子様が飛び跳ねたり、走りまわったりなどするとご近所の目が気になる方は多いのではないでしょうか。
また、最近では自宅フィットネスをされる方も多く、そういった面で階下への振動の心配もなく戸建感覚でお住まいいただけるというのが特徴です。

しかしあくまでも共同住宅。絶対に伝わらないということではございませんのでくれぐれもご注意を。

●専用庭や駐車場がある物件が多い

1階マンションの最大の魅力のひとつに「庭があること」が挙げられます。
マンションで暮らしながら本格的なガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、お日様の下でプール遊びをしたり。
もちろんすべての1階マンションに広い庭が付いているわけではありませんが、テラスがあったり、中には専用駐車場が付いていて一戸建て感覚で暮らせる物件もあります。

「駐車場が付いている部屋なら、道路まで少なくとも奥行きが5m以上あり、それだけあれば開放感もたっぷり。
自宅からすぐに使える駐車場があれば荷物の出し入れが便利なだけでなく、車好きの人にとっては何よりの設備ということになります。庭のある暮らしを満喫するために、スロップシンクや水栓がついているか、なども確認しておきましょう」

マンションの1階に住むデメリットについて

では次に、デメリットも確認していきましょう。

●上階の音

自分たちが音の心配を少なくなる分、上階からの足音が気になってしまうケースも。リノベーション工事では遮音対策も可能ですのでご相談ください。

●虫など

庭のあるなしに関わらず、地面と接しているため、高層階よりも虫に悩まされる確立は高くなります。一戸建てと共通するデメリットの1つです。

「1階に限らず、2階でも3階でも虫は飛んできます。周辺に公園や雑木林があるなど自然環境にも影響されます。自然が身近にあれば、昆虫が多く生息しているはず。高層階でも飛んでくる可能性はあります」

飛べない虫でもエレベーターや荷物を介して高層階に侵入する可能性は十分にあります。山や野原、飲食店等との距離によっても、虫と出合う確率は変わります。
どうしても虫が苦手ならやはり1階や、自然豊かな立地環境は避けた方が無難かもしれませんね。

●防犯

防犯面では、中層階に比べると1階は不利と言えます。

マンションの1階が道路からすぐに覗ける状況だったり、すぐに入り込めそうな場所に窓やドアがある場合は防犯性が気になる人も多いようです。
実際に、警察庁の調べでも、3階以下の住戸の方が4階以上に比べて約2倍も多く侵入窃盗事件が発生しています。
ただし、その過半数が「無施錠」の入り口からの侵入。鍵をきちんとかけるだけで侵入リスクの半分以上は低減できるようです。

「1階に『防犯センサー』がついていない新築マンションはほぼ無いと思います。
それ以外にも、高いフェンスや監視カメラなど、防犯リスクを下げる工夫はいろいろとされているはず。
中古マンションの場合は、どんな防犯対策が取られているか、監視カメラが共用部分のどこについているかを確認しておきましょう」

●地震や浸水被害

物件の場所によっては水害ハザードマップにかかってしまうケースもございます。
1階住戸はそういった面で他住戸に比べれば物件価格もお求め安いケースもございます。しっかりと価格と内容を見比べていきましょう。

以上、マンション1階住戸のメリット・デメリットを整理してみましたがいかがでしょうか。
1階住戸には他にはない特徴がございます。また、リノベーションでそれまで弱点と言われていた部分も補うことが出来たり+αの対策も可能です。

●周囲の視線

マンション1階は道路に面している場合が多く、「道路から室内が丸見えでは?」「プライバシーが守れるのか」と心配になる人もいるかもしれません。

「1階を駐車場にしたり、店舗にしたり、グラウンドレベルを上げたり、植栽やフェンスで視線が入らないようにしたり、ほとんどのマンションでプライバシー面に配慮されています。一番有効なのが、グラウンドレベルを上げること。
50cm~70cmほど高くしているマンションが多いのですが、70cm~1m高くなっているとそれだけでプライバシーはかなり守りやすくなります。
反対に、高さ制限の影響で1階を少し掘り下げている場合もあります。
物件ごとにグラウンドレベルは異なるので、視線が気になる人はしっかり確認しておきましょう」

●結露やカビ

空気の性質として、暖かい空気は室内の上部に行き、冷たい空気は下に溜まりがち。高層階よりも1階の方が寒いのはある程度当然だと言えるでしょう。
また地面に近いので、冬は冷気が床を通して伝わってきたり、地面の湿気を取り込みやすく、結露やカビが発生しやすいイメージがあります。

「新築マンションで『1階だから寒い』ということはほぼありません。
1階だからこそ断熱はしっかりやっているはずです。
ただし、古いマンションの場合は断熱性が低いものもあるので、どの程度寒いか、カビの原因になる結露があるかなど、ぜひ現地で確認しておきましょう」

●騒音

道路との距離が近い分、「通行人の話し声や車の排気音がうるさいのでは」と心配になる人も多いようです。

「もちろん、道路に近いほど音はよく聞こえます。しかし、1階ではなくても、すぐ前の道路の話し声や車の音は聞こえるものです。そもそも、交通量が多い道路に面しているなど、騒音が気になるような立地であれば、二重サッシが使われているはず。気になる人はサッシの防音性能などを確認しておくといいでしょう」

さいごに

住まいは大きな買い物です。いくつかの物件で迷っているなら、まだ自分たち家族だけの価値基準が明確になっていないからかもしれません。
そういった懸念点を解消するためにも、家族での話し合いやファイナンシャルプランナーへの相談など、買ってから「こんなはずじゃなかった…」とならないように多少時間をかけてでも取り組んでいきましょう。

 

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