家具のなかで、椅子ほど「その人らしさ」が出るアイテムはないかもしれません。デザイン・素材・サイズ・色——すべての要素において選択の幅が広く、インテリアの個性を最も鮮明に打ち出せる存在です。床材・建具・壁をご自身でコーディネートされたリノベ空間では、置く家具との「対話」がより繊細になります。今回は椅子選びの5つの視点をご紹介します。
スタイル別—「椅子の顔」が部屋に合うか
椅子にはそれぞれ「顔」があり、そのデザインが空間のスタイルと合致したとき、部屋は一気にまとまりを持ちます。北欧スタイルなら曲木の脚のチェアが無垢材の床と相性抜群で、ハンス・ウェグナーのYチェアのような「彫刻的な美しさ」を持つ椅子は光の当たり方で表情が変わります
。和モダンなら低座や籐(ラタン)素材が自然に映え、脚のラインが細く床との距離が近いデザインは、天井高が低い日本の住宅に視覚的な安定をもたらします。インダストリアル系ならスチールフレーム×レザー座面がコンクリート床との相性ぴったりで、椅子の「硬さ」がむしろかっこよさを際立たせます。
フレンチ・レトロなら猫脚や布張りのバルーンバックチェアが、白い漆喰壁と組み合わさることでホテルライクな格調ある雰囲気を生み出します。
スタイルが決まらないときは床材の色を起点に考えてみてください。暖色系のオーク材なら北欧・ナチュラル系、グレー系の石材やタイルならモノトーン系が合わせやすく、迷いが少なくなります。私たちとのリノベのプランニング中から「どの椅子を置くか」をイメージしておくことが、仕上がりをぐっと高めるコツです。

素材・質感—触ったとき、見たときに何を感じさせるか
椅子を選ぶとき、デザインの「形」ばかりに目が向きがちです。でも空間の質感を決めるのは、素材の「触感」と「光の反射」であることが多いのです。
ファブリックは温かみがあり漆喰壁との相性が抜群、本革はモルタルや石材と合わせると引き締まった印象に、ラタンは軽やかさと通気性が魅力でテラコッタや塗り壁と相性がよく、ベルベットはモノトーン空間のアクセントとして効果的です。
スチールやアルミフレームは硬質でモダンな印象を与え、コンクリートや大判タイルとの組み合わせに向いています。リノベ空間で特に意識していただきたいのは「艶感の統一」です。マットな漆喰壁に光沢のあるラッカー仕上げの椅子を置くと質感の乖離が生じ、落ち着かない印象になることがあります。
逆にあえてマット×グロスで対比をつくるなら、それを空間のコンセプトとして明確に打ち出すことが大切です。また本革は使い込むほど味が増してその人だけの椅子に育ちますし、ファブリックは張り替えで清潔感を長く保てます。長く使う前提でメンテナンスしやすい素材かどうかも、ぜひ判断基準に加えてみてください。
床・壁との合わせ方—リノベ空間ならではの意識
リノベーションの最大の強みは、床・壁・建具をご自身でコーディネートできること。だからこそ、椅子選びは「工事後の完成形から逆算する」視点が重要になります。
よくあるのが、完成後に椅子を探し始め、床の色と脚の色が微妙にぶつかってしまうケースです。オーク材の暖かいベージュにウォールナットの暗い茶が混在すると、どちらも「中途半端な木の色」に見えてしまいます。「同系色でまとめる」か「対比させる」か、どちらかに振り切ることがポイントです。
オーク床×スチール脚なら素材の違いでメリハリが生まれ、オーク床×オーク脚なら「木の空間」として統一感が出ます。白い壁のリノベ空間では椅子の背面が目に入りやすいため、背面が美しい椅子を選ぶと部屋に奥行きが生まれます。細い脚の椅子は床の見える面積が増え、部屋を広く感じさせる効果があり、フローリングが美しい空間では床材を「見せる」演出にもなります。天井高を上げた空間ではハイバックチェアが、低い天井にはローバックが空間バランスを整えてくれます。
サイズと配置—椅子が多すぎる部屋にならないために
椅子選びで意外と見落とされがちなのが「数と配置」の問題です。気に入った椅子を見つけるたびに追加していくと、いつの間にか椅子だらけの部屋になってしまいます。解決策のひとつは「椅子の家族をつくる」という考え方です。
デザインや素材が共通する椅子でグループをつくり、空間の各所に配置することで、バラバラに見えながらも統一感が生まれます。ダイニングにウッドシェルのチェアを4脚、リビングに同シリーズのアームチェアを1脚、といった組み合わせです
。椅子を選ぶことは、空間にどれだけ「余白」を残すかを決めることでもあります。動線も必ず確認しておきましょう。ダイニングチェアは座面から壁まで最低60〜80cmの余裕が必要です。リビングとダイニングが一体になったLDKでは、椅子を引いたときに通路が確保できるかどうかが快適な暮らしを左右します。打ち合わせの段階で動線計画を共有しておくと、後悔を防ぐことができます。

「主役の一脚」を決める—部屋に物語を与える椅子
インテリアが「整っているけど面白みがない」と感じる部屋の多くは、すべての家具が平等な存在感を持ってしまっています。
そこで有効なのが「主役となる一脚」を意図的につくることです。読書コーナーのアームチェア、窓際のロッキングチェア、玄関ホールのアクセントチェア「この椅子のためにこのスペースをつくった」と思えるような一脚が、部屋に物語と個性を与えます。主役の椅子を選ぶとき、あえて他の家具のスタイルを「少しだけ外す」のも有効です。
北欧でまとめた部屋にひとつだけラタンチェアを混ぜたり、モノトーンのリビングに深いグリーンのベルベット張りを置いたりすることで、空間に人格が宿ります。照明計画やコンセント位置も、工事の段階からご一緒に考えさせていただくと完成度がぐっと高まります。たとえば読書チェアを置くコーナーに専用のフロアランプ用コンセントを設けておくだけで、完成後の暮らしが格段に豊かになります。
主役の椅子は予算をかけるに値するアイテムです。長く使えるクオリティのものを選び、張り替えや修繕を重ねながら育てていく「10年後も好きでいられるか」という問いが、最後の判断基準になるでしょう。
椅子の選択のひとつひとつが、その部屋に住む方の価値観を映し出します。リノベーションで床・壁・建具を選んでいただいたあの時間と同じ真剣さで、椅子とも向き合ってみてください。どんな素材で、どんなデザインで、どこに置くかその答えが揃ったとき、空間は「整った部屋」から「あなたの部屋」へと変わります。
住まいは選んだものの集合体です。そしてその中で椅子は、最も正直に「あなた」を語る家具かもしれません。ご自身らしい椅子が置かれた瞬間きっとその部屋が、もうひとつ上の顔を持つはずです。
miyabiでは、物件探し・設計デザイン・施工までをワンストップでお手伝いさせていただいております。お客様のライフスタイルに合わせた家具のご提案も得意としております。お気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、あなたの理想の空間づくりをサポートいたします。
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