新しい住まいを選ぶとき、中古住宅を候補に入れる人は少なくありません。
しかし、新築に比べて中古住宅の中古であることに対する不安や新築住宅を選択しなくてよいのかという迷いを抱えている方もいらっしゃるかと思います。
今回は、納得のいく中古住宅を購入するために絶対に外してはいけない基本的なポイントをご紹介します。
新築と比較したときに中古住宅のメリット
中古住宅を購入するときは以下の3つのメリットがあります。
●中古住宅は価格が安い
中古住宅の最大のメリットといえる「価格が安い」ことです。マイホームを購入するときにはほとんどの人は理想の立地や間取りを考えると思いますが、新築では予算オーバーしてしまうかもしれません。
しかし中古住宅なら価格が安いため理想に近い住宅を購入しやすい上に、それ以上の住宅も選択肢に入ることでしょう。
●住んだときのイメージが掴みやすい
中古住宅はすでに建っている家を購入するため、内見の時に住んだ際のイメージがしやすいのです。新築の住宅は建売住宅でない限り、モデルルームの件G買うだけで購入を決めなければなりません。
そのため、実際に住んだ時に「想像と違った」ということはたびたび起きています。
中古住宅でそのような心配はないでしょう。
●中古住宅は物件の選択肢が多い
中古住宅は2018年の段階で「全住宅流通量」の約14.5%を占めていて、2019年には24.6%にまで増加しています。
年々流通量が増えているので、中古住宅の流通量は新築の住宅に比べて多くなっています。そのため駅からの距離、間取りなど理想の条件に当てはまる物件が多いです。多くの選択肢の中から自分に合った住宅を選ぶことができるでしょう。
新築と比較したときの中古住宅のデメリット
中古住宅には以下の3つのデメリットがあります。いずれもお金にまつわるものなので、重要なポイントになるでしょう。
●修繕費用が早期にかかってしまう
中古住宅は新築時の設備がそのまま使われていることが多く、購入して間もなく修繕が必要になることがあります。外壁塗装や屋根のメンテナンスは約12-15年に1度必要と言われています。
築年数の経過している住宅を購入する際には、早期にメンテナンスが必要となることが多いのです。
●初期費用が割高
新築の住宅では不動産会社が売主のことが多く「仲介手数料」がかからないことが多いです。しかし中古住宅の場合、不動産会社が仲介に入って契約するので、「仲介手数料」がかかってしまいます。
仲介手数料は「物件価格✕3%+6万円」で計算でき、2500万円の物件を購入するとしたら81万円+消費税がかかってしまいます。仲介手数料が物件価格とは別でかかるのは大きなデメリットでしょう。
●住宅ローン控除が受けられないことがある
住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件をどちらか満たす中古住宅を購入する必要があります。
1.築25年以上の鉄筋コンクリートの耐火建造物
2.築40年以上の木造住宅で一定の耐震基準を満たしている建造物
いくら価格が安いからといって、築年数を大幅に経過している物件を購入すると住宅ローン控除が受けられない可能性があるので注意しましょう。
中古物件を探す際の注意点
中古住宅はたくさん物件があるので、落ち着いて探すことが重要です。
中古住宅の購入は仲介となる不動産会社が入り、中には早期で契約をせかされるような会社もあります。
しかし住宅購入は人生に何度もあるようなものではないので、希望の条件に合うような中古住宅を慎重に選びましょう。
●修繕費用がどのタイミングで必要になるかを考える
中古住宅では劣化や不具合はあるといっても過言ではありません。そのため築年数から考えて、どのタイミングで修繕やリフォームが必要になるか考えましょう。
また既にリフォームやリノベーションをしている物件であれば、どこまでが工事範囲だったのか確認して、あらかじめ修繕費用がいくら必要か見積もっておきましょう。
●建物の耐震性能を確認する
中古住宅を購入するときは耐震性能をよく知る必要があります。購入する中古住宅が1981年前後に建てられたものであれば注意が必要です。1981年より前に建てられた住宅は「旧耐震基準」といって、震度6強以上の規定がないため大規模な地震が起きたときは建物が倒壊する危険があります。
耐震基準を確認するには検査済証をチェックするのがおすすめです。検査済証の発行日が1981年(昭和56年)6月1日以降であれば新耐震基準が適用されています。
●既存不適格建築物でないか確認する
既存不適格建築物とは新築時の法律では合法的に建てられた建物で、現在の法律には適合しない建物のことをいいます。
建築基準法や都市計画法、自治体の条例などさまざまな規制が時代によって変わってきます。
既存不適格建築物は銀行の担保価値が低い傾向にあり、あまり大きな金額を借りれないというデメリットや建て替えの際に同じ仕様で建てられないという問題があります。
中古物件を見学するときの注意点
内見時に、確認できる点をピックアップしてみましょう。
●内見時には周辺の環境をチェック
中古住宅を内見するときは間取りや設備の傷み具合に目が行きがちですが、家が建っている地域や利便性、周辺の環境や将来的にお子さまが学校に通われる際の安全性などもよく見学しましょう。
●住宅の見えない箇所まで確認する
中古住宅には直接目で見て確認できない傷みがあるケースがあります。例えば、家の傾きやシロアリ被害、雨漏りなどです。気に入った物件を見つけたとしてもすぐに契約せず、ホームインスペクションなどの第三者に検査を依頼するのも重要です。
●断熱性能は問題ないか
断熱性能について、一戸建て住宅は未だ法令で性能を義務づけられていません。ただ住宅ローンの融資を受けるために一定の断熱性能を有している建物はあり、仕様の改訂ごとに性能を向上させています。
そのため築年数が古いと断熱性能が低い可能性があるので、注意しましょう。
●必要に応じてホームインスペクションを依頼する
ホームインスペクションとは「住宅診断」ともいい、住宅に精通した住宅診断士が住宅に劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、改修にかかる費用を見極めるサービスです。
できるだけ長く住んでいきたいと思ったらホームインスペクションを利用すると安心です。
売買契約時の注意点
●手付金は自己資金から支払う必要がある
手付金は売買契約時に支払うケースがほとんどで、その時点ではローンを組んでいないので、自己資金から支払う必要があります。
手付金の相場は物件価格の5~10%が一般的となっています。2,500万円の物件では大体125万円~250万円必要なので、意外と大きな金額となります。
●売りに出された理由を確認にておく
中古住宅なのに築浅で格安で売られている物件はご近所トラブルなどのリスクが潜んでいることがあります。そのため物件が売りに出された理由については知っておくべきでしょう。
●余裕のない住宅ローンを組まない
中古住宅を購入するときにはほとんどの人が住宅ローンを利用することでしょう。金利が低いこともあって比較的手軽にローンが組めてしまいますが、返済が滞って家を手放すことになっては元も子もありません。
ローンを組むのであれば、余裕をもって返済できる金額にすることと、ローンを組んでまで欲しい家なのか再度慎重に確認しておきましょう。
さいごに
今回は、中古住宅の物件探しと内覧についての注意点についてお話ししてきました。
中古住宅の購入は、注意すべき点が多くありますが、新築よりもメリットがある中古住宅です。
注意すべきポイントを確認しながら、自分にあった物件購入をしましょう!
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