まるで新築のような家。
2024.05.11
不動産

中古住宅購入の注意点は?決める前に確認しておくべき5つの注意点

中古住宅は、新築よりも物件価格や立地などの選択範囲が幅広く、希望のエリアで物件を見つけやすくなる魅力がある反面、後悔や失敗のない物件を選ぶことが必要です。
そこで今回は、中古物件を購入する際に注意すべき点を5つをピックアップし解説します。

中古物件を購入する際に注意すべき点5つ

1.費用について

中古住宅を購入する際に、リフォームやリノベーションを行うことを考えている方は多いのではないでしょうか。
住宅ローンにリフォーム、リノベーション費用を組み込む場合は住宅購入の決済までに工事の請負契約を結ばなくてはならず、スムーズな契約のためには住宅購入の金額とリフォームにかける金額を決めて資金計画をする必要があります。
物件価格とリノベーション・リフォームにかかる金額を合わせて資金計画を行い、全体の流れを把握しておきましょう。

2.建物の基礎や躯体に問題がないか

中古物件で一番注意すべき点は、建物の基礎や躯体がしっかりしているかということです。
建物の構造で特に注意したいのが、耐震性。耐震性は建築後の劣化で低下します。シロアリや雨漏り、室内結露、地盤の影響によるゆがみが生じて耐震性の低下につながります。
このチェックは床下や屋根裏の点検、専門知識が必要となるため、ホームインスペクションを利用すると安心です。
その他の注意するポイントとしては、木造住宅の場合は部屋を区切る壁が構造の一部を担い家の重さを支えている場合もあります。
その場合は壁を取り去ることが難しいため、間取りの変更を予定している際には事前に建物の構造がわかる工務店や建築会社のスタッフと図面や現地の確認をしておきましょう。

3.違法建築の場合は住宅ローンが通らないことも

平成の始めなどの一戸建て物件は違法に増築などをして建築基準法に適合しない”違法建築”である場合があります。
住むことには問題ないでは?と思われるかもしれませんが、問題は住宅ローン融資です。
住宅ローンの中には、基準が厳格に決まっており、違法建築では融資が下りないこともあります。
検査済証(竣工後に現地で検査し建築基準法に適合が確認されたことで交付される証書)があれば入手すると良いでしょう。

4.耐震基準について確認する

まず、一戸建てやマンションの区分なく建物全体にかかわる耐震基準について解説します。
よく耳にする旧耐震基準・新耐震基準というのは、1981年を境とします。
それ以降の建築確認申請では震度が6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる構造であることが定められています。

また、2000年に定められた品確法によって地震に対する強さを等級で表すことのできる制度が定められました。
例えば建築基準法で定められている最大限度の耐震性が耐震等級1、その1.25倍の耐震性を持つのが耐震等級2、さらに1.25倍が耐震等級3となります。
あくまで建てられた当時の耐震性のため、その後のメンテナンスや劣化具合に左右されますが目安として知っておくとよいでしょう。

次に、一戸建てに多い木造住宅についてです。
上記の新耐震基準に加え、木造住宅において2000ともいわれる耐震基準に関する基準に関する法改正がなされました。
これは阪神・淡路大震災の教訓を生かしたもので、地盤に応じた基礎の設計、基礎と柱の接合部の金具、耐力壁の配置などについての変更が行われました。

ではマンションはどうなのかというと2005年に発生した耐震強度偽装事件、いわゆる「姉歯事件」に関する法改正があります。
耐震強度の偽装を防ぐため2007年に建築基準法が改正され、マンションのような大きな建物の設計は資格保有者が行うか、資格保有者が適応性の確認を行うことが義務付けられることとなりました。

以上のような法改正があったことを知っておけば、どの耐震基準や制度上で作られているかがわかります。参考にしてみてください。

5.将来的にリノベーションやリフォームが可能かどうか

建物の築年数と建物の劣化は必ずしも比例するわけではありませんが、将来的にリノベーションやリフォームが必要になることも考えておかなければなりません。

木造であれば比較的リフォームしやすいですが、2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる壁で家を支える工法で住宅だある場合は、かなり大がかりな工事になるか、壊せない壁が多かったりなどで、希望の間取りにできないことも。。

マンションであれば壁式構法のマンションだと、床・天井の4つの壁で成り立っている構法です。柱や梁はないのですが、壊せない壁が多い場合があります。
壁式構法の場合はリノベーションには少々不向きです。

購入前に必ず仲介会社か建築会社に確認を取っておきましょう。

もし購入した物件が欠陥住宅だったら?

あまり想像したくはないですが、購入した家に欠陥が見つかるケースもあるかと思います。
そんなリスクから買主を守る「住宅瑕疵保険」というものがあります。

住宅瑕疵保険の保険範囲は、住宅の構造耐力上、必要な部分と雨水の侵入を防止する部分。
具体的には建物の基礎、床板、壁、屋根、外壁が該当します。

もしも欠陥住宅だった場合には、保険会社に補修費用を請求できます。

また、新築住宅の場合には、住宅瑕疵保険への加入が義務付けられていますが、中古物件については義務付けられていないため、注意が必要です。
物件購入前に必ず確認しておきましょう。売主が個人の場合は、住宅瑕疵保険の加入者は検査機関となります。
万が一に備えて、売主と協議の上、加入をお願いすることをおすすめします。

実際中古物件は何年住めるの?

まず築30年以上の建物のその後の寿命という側面から考えてみましょう。中古物件の建物価格を考えるときによく耐用年数が用いられます。

マンションに多い鉄筋コンクリート造では47年、木造の一戸建て住宅では22年。しかしこの年数は税務上減価償却処理する場合の基準として設けられた年数です。この年数で建物の寿命がわかるという年数ではありません。

実際には全国平均で住宅としての建物は約53年で取り壊されているそうです。構造種別でみると木造の一戸建てでは58年、マンションなどの鉄筋コンクリート造の共同住宅では60年平均です。

地域によって差はありますが、耐用年数を超えて存続し、さらにはより長い期間住宅としての機能を持続している建物も存在します。
築30年=寿命ではないことがわかります。

築30年以上の住宅と言えば、ちょうど高度経済成長時期からバブル時期に突入した空前の建築ラッシュ時期です。

かなりの軒数の住宅が急ピッチで建てられた時代です。また当時の建物は、手抜き工事や突貫工事、粗悪な材質の使用などが問題とされていました。

中古住宅のすべてにこのような問題があるわけではありませんが、寿命を短くする原因となっている可能性もあります。
どんな住宅でもその使われ方、手入れのされ方が建物の寿命に大きく影響してくるのです。

日本の木造住宅は平均30年~80年で解体されるため、寿命も30年~80年と考えられます。

その他の構造の物件の建物の寿命は以下の表のとおりです。

構造 建物の寿命
木造 30年~80年
鉄骨構造 30年~60年
鉄筋コンクリート建造物 40年~90年

 

また、中古戸建てを購入する前に修繕履歴を確認しておきましょう。

築年数が増えると経年劣化などにより修繕する箇所もふえますが、定期的にメンテナンスが実施されている場合には良好な状態と考えられます。

また、ある一部が頻繁に修繕されている場合には、その部分に問題が潜んでいるかもしれません。
マンションであれば定期的に修繕積立金の中から修繕工事がされているはずです。
今後の修繕計画を立てる際の参考にもなるため、事前に修繕履歴を調べておきましょう。

さいごに

初めてのマイホーム購入でも注目を浴び始めている中古住宅市場。
見た目はきれいに見えるけれど、何年住み続けられるのか、といった中古物件ならではの不安もあるかと思います。

物件の良し悪しを自分で見極めるのが不安な方には、住宅診断(ホームインスペクション)に依頼するのもよい方法です。
費用がかかりますが、大きなお買い物ですので安心に越したことはないでしょう。
また不動産会社や建築の住宅診断のプロの意見も取り入れて、満足度の高い家選びをしましょう。

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