マイホームのは決して安い金額で買えるものではありません。人生の中でもターニングポイントとなるような大きな買い物かと思います。
万が一、売買契約後に転勤が決まってしまった。離婚をしたので契約を解除したいなど、様々な理由で契約を解除しなくてはならなくなった場合、クーリングオフを利用して契約解除が可能になっています。
今回は、どんな場合クーリングオフが使えるのか。クーリングオフが使えない場合はどんな場合かなど詳しく解説していきます。
ご自身の理由で契約を解除したい場合ももちろんですが、悪徳な会社に無理やり契約させられてしまった場合なども、少なからずあります。クーリングオフについてしっかりと理解して言われたまま契約しない為にも是非、参考にしてみてください。
クーリングオフとは
クーリングオフとは、特定の取引において適用される制度で、一定の期間内であれば消費者側から自由に解約する事が出来るという法律のことをいいます。
消費者がクーリングオフを行使すると、契約の解除を認める必要があったり、すでに支払った代金の返金も行えます。
この法律によって悪徳な業者から消費者を守っていると言えます。
今回は、住宅購入時におけるクーリングオフのポイントについて解説します。
クーリングオフの適用条件は?
クーリングオフが適用されない不動産売買もあります。クーリングオフを利用するための条件について説明していきます。
①申込みをした場所
申込みをした場所は買主にとって冷静に判断できる環境が整っている場所である場合はクーリングオフを行使することができなくなっています。
冷静に判断できる環境が整っている場所とは、
・宅建業者の事務所
・土地に定着する建物内に設けいられた案内所(モデルルームなど)
・継続的に業務を行うことが出来る事務所
・成年の専任の取引士を置くべき場所で売買契約に関する説明をした後、土地に定着した展示会
・買主から申し出た場合の買主の自宅や勤務先
上記の場所に場合は買主が購入するかどうかの判断を冷静に出来るためクーリングオフを行使できません。
これに対して、喫茶店やテント張りの案内所、ホテルなどで申込みが行われた場合はクーリングオフの対象となります。買主から申しでていない場合の買主の自宅や勤務先も対象です。訪問販売などがこれにあたります。
ここでいう申込みとは、「物件を購入すると判断した」ことを意味しています。
契約書や申込み書にサインをしたかどうかではないというのがポイントになっています。
つまり、申込みを宅建業者の事務所で行い、契約書へのサインは喫茶店などで行った場合はクーリングオフの対象にわならないので注意が必要です。
②契約してからの期間
もう一つの条件が契約してからの期間です。
契約解除がいつまでもできてしまうと、今度は売主側も困ってしまうため、クーリングオフを行使できる期間が決まっています。
・宅建業者から書面でクーリングオフの説明された日から8日間のみ
・買主が物件の引渡を受け、かつ代金全額支払うまでの期間
この期間の間で、且つ上記の申込みをした場所の条件である場合に限りクーリングオフを利用することが可能になっています。
③契約した当事者は誰か
契約の当事者についてですが、売主が『宅建業者』であること、そして買主が『宅建業者以外』であることが原則です。
そのため、売主が『宅建業者でない場合』はクーリングオフの制度を適用することが出来ません。
クーリングオフをする方法
クーリングオフは必ず書面で行わなければなりません。口頭で行ってもクーリングオフは出来ません。書面とはハガキや手紙、内容証明書、ファックスなどどれでも可能ですが、ほとんどの場合は日付を証明できる配達証明付内容証明郵便で送ることが多いです。
また、最も重要なことは、クーリングオフの効力は書面を発した時であるということです。相手の手元に届いた時ではないので注意が必要です。
書面に記載する事項は特に決まりはありませんが、基本的には下記の様な内容を記載します。
・申込み、契約した日付
・物件の住所、名称
・契約金額、物件の価格など
・業者の会社名・担当者名
・宅地建物取引業法37条の2に基づいて解除する旨
などです。
クーリングオフに理由は必要ありません。相手からなぜクーリングオフするのか説明を求められても説明する義務はありません。
クーリングオフの効果
クーリングオフは行われると、手付金などの金銭は買主に返されます。
そして、業者はクーリングオフに対しての損害賠償請求や違約金の請求は出来ず、これに違反する特約を付けることもできなくなっています。たとえ特約をつけていたとしてもそれは無効になります。
まとめ
クーリングオフの制度は消費者を保護するための重要な制度です。こういった制度があることで安心感はありますが、出来るだけクーリングオフを使う事が無いようその場で安易に判断せず、しっかりと冷静に検討することが重要です。自分の財産や生活を守るためにもしっかり理解しておきましょう。
しかし、いくら気を付けていたとしても悪徳な業者によって間違った契約をしてしまうこともあります。そのときは、クーリングオフを正しく行使して被害を最小限に抑えましょう。
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