2025.12.18
リノベーション

中古戸建を買ってリノベーションしたい!購入前に知っておきたい!在来工法と2×4工法の違い

リノベーションを前提に戸建て住宅の購入を検討されている方なら、「在来工法」や「ツーバイフォー工法」という言葉を耳にされたことがあるかもしれません。

「そもそも在来工法・ツーバイフォー工法って何が違うの?」

「リノベーションするならどちらの工法を選べばいいの?」

初めての住宅購入では、わからないことばかりで不安になりますよね。

この記事では、そんな疑問をお持ちの方に向けて、在来工法とツーバイフォー工法それぞれの特徴や、メリット・デメリットについて解説していきます。工法の違いによってリノベーションの自由度が変わってくる可能性がありますので、それぞれの特徴を理解したうえで、理想のマイホームづくりを進めていきましょう。

木造軸組工法(在来工法)とは?

在来工法は、日本古来の伝統的な木組みを活かした建築方法といわれています。

在来工法の構造的な特徴

在来工法では、柱を住宅の土台に対して垂直に立て、梁を水平に架けることで住宅の骨組みを造っていきます。さらに、一部の柱と柱の間には「筋交い」と呼ばれる斜めの部材を入れることで、住宅の強度を高めているのが一般的です。

このように、在来工法は点と点を結ぶように組み立てていく建築方法といえるでしょう。日本に昔から伝わる工法ということもあり、国内では広く採用されており、シェア率が高いことが特徴です。

リノベーションにおける在来工法のメリット

必要な位置に柱や梁を配置すれば、その他の間取りは比較的自由に設計できる傾向があります。これが在来工法の大きな魅力の一つといえるでしょう。

では、リノベーションの際、取りたい壁に構造上必要な柱などがあった場合はあきらめなければならないのでしょうか?実は、そのようなケースでも対応できる可能性があります。

柱を取り除いて別の位置に移設することで構造を保つことができる場合もあるため、専門家と相談しながら「どの位置への移設が可能か」「どの位置ならお客様のご希望に添えるか」といったお打ち合わせを重ねることで、間取り変更を実現できることが多いのです。

もちろん、構造上の安全性を確保することが最優先となりますので、すべてのケースで自由に変更できるわけではありません。しかし、在来工法の場合は比較的柔軟な対応が期待できる傾向にあるといえます。

2×4(ツーバイフォー)工法とは?

2×4(ツーバイフォー)工法は、北米で発達し、普及してきた建築工法です。

ツーバイフォー工法の構造的な特徴

2インチ×4インチの木材で枠組みを作り、そこに構造用合板を張り付けてパネル状にしたものを組み合わせて住宅の形にしていく工法です。

この工法の大きな特徴は、「面」で構成されている点にあります。壁や床、天井といった面全体で建物を支える構造となっているため、地震や風などの外力に対して比較的強い耐性があるとされています。加えて、高気密・高断熱という特徴も持ち合わせていることが一般的です。

釘の長さやピッチなどの規定が細かく設定されているものの、特別に高度な技術を必要としないため、在来工法と比較すると工期が短くなる傾向があるといわれています。

リノベーションにおけるツーバイフォー工法の注意点

ツーバイフォー工法には、リノベーションを検討する際に知っておきたい特徴があります。

構造上、壁自体が建物を支える構造体になっているため、取り除けない壁が多くなる可能性があります。これは、自由度の高い間取り変更を行う際の制約となる場合があるでしょう。この点において、在来工法の方がリノベーション向きと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

また、1階の天井と2階の床が一体化している構造が多く見られるため、新たに配管を通す際や配管の移設をする際には、追加の手間や費用がかかる可能性があります。

具体的には、天井材を広範囲にわたって剥がし、構造に影響を与えない位置を慎重に見極めながら木材に穴を開けていき、配線・配管を通していく作業が必要になることがあります。そのため、解体費用や配管費用が想定よりも高くなるケースも考えられます。

リノベーション=在来工法を選ぶべき?

ここまでの説明を読んで、「リノベーションするなら在来工法の住宅を選んだ方が良い」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、必ずしもそうとは限りません。

お客様が何を優先されるのか、予算をどの部分に重点的に配分されるのかによって、最適な選択は変わってくるといえるでしょう。

それぞれの工法の強みを活かす

どちらの工法の住宅をリノベーションする場合であっても、耐震性や構造的な強度をしっかりと考慮して設計・施工することが何よりも大切です。

在来工法・ツーバイフォー工法、それぞれの特徴や強みを正しく理解したうえで、ご自身のライフスタイルや希望に合った物件選びを進めていくことをおすすめします。

物件購入前の検討がポイント

リノベーションを前提とした物件選びでは、購入前の検討段階が非常に重要になってきます。以下を一つの目安としてご参考ください。

ケース別の適性の目安

大幅な間取り変更を希望される場合

在来工法:比較的柔軟な対応が期待できる傾向

ツーバイフォー工法:制約が大きくなる可能性がある

リノベーションは内装中心で間取り変更なしの場合

在来工法:対応しやすい傾向

ツーバイフォー工法:対応しやすい傾向

部分的な間取り変更を希望される場合

在来工法:比較的柔軟な対応が期待できる傾向

ツーバイフォー工法:ケースバイケースで検討が必要

ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、実際にはご予算や優先したい箇所、物件の状態などによって最適な選択は異なってきます。

物件購入の段階で「どのように、何を優先してリノベーションをしたいか」をある程度イメージされておくと、物件選びがスムーズになるでしょう。

ワンストップリノベーションという選択肢

「物件を買うときにそこまで考えられないし、よくわからない…」

そのように感じられる方も多いのではないでしょうか。そんな方々には、物件探しからリノベーションまでを一貫してサポートする「ワンストップリノベーション」という方法もあります。

ワンストップリノベーションのメリット

物件探し・購入からリノベーション、さらには入居後のアフターメンテナンスまでを一括でサポートできる体制があれば、物件購入前の段階で「この物件ならどんなリノベーションができるのか」「希望する間取り変更は実現可能か」といった具体的な相談ができます。

実際に物件を見ながら設計の専門家と話し合うことで、購入後に「思っていたリノベーションができなかった」といった後悔を避けられる可能性が高まるでしょう。

中古物件を購入してリノベーションをお考えの方は、まずは専門家にご相談されることをおすすめします。もちろん、すでに物件をお持ちの方のリノベーションのご相談も承っております。

まとめ

建物の構造について専門的な説明を聞いても、なかなかイメージしにくいと感じられる方がほとんどではないでしょうか。

この記事が、戸建て住宅の購入やリノベーションを検討される際の参考になれば幸いです。

住宅の購入もリノベーションも、人生の中で何度も経験するものではありません。だからこそ、後悔のない選択をしていただきたいと私たちは考えています。

専門的な知識や判断が必要な場面では、遠慮なく専門家に相談し、納得のいくまで話し合いを重ねることが大切です。皆様の大切な住まいづくりに、少しでもお役に立てれば幸いです。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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