2023.06.17
リノベーション

木造住宅のリノベーションってなにができるの?費用相場や注意点について

住宅には寿命があり、長く住み続けるためには手を加えていく必要があります。日本には多くの木造住宅があり、築年数の古い住宅ストックの利活用が社会的にも課題として認識されるようになってきています。

古くなった木造家屋の取壊しは建て替えることもできますが、リノベーションすることで費用を抑え、愛着のある家に住み続けることが可能です。

そこで今回は木造家屋の平均寿命を踏まえた上でリノベーションでできることや、メリットや注意点をご紹介します。

木造家屋の平均寿命

国土交通省「【指針参考資料5】 建物の平均寿命についてによると、木造家屋の平均寿命は約65年であるとされています。
約43年の平均寿命でしたが、2006年の調査では約54年、2011年の調査では65年と、年数が伸びています。

木造家屋が劣化する主な原因には、腐朽菌やシロアリによる被害が挙げられます。腐朽菌が木造家屋に繫殖すると、カビも繫殖しやすくなりますが、カビが発生した状態はシロアリが好む環境であるといわれています。

木造家屋の寿命を伸ばすためには、外壁や屋根の塗装をして雨漏りや木造の腐食を予防したり、古くなった給排水管設備の取替や水回り設備のメンテナンスをしたりするとよいでしょう。

木造家屋のリノベーションでできること

木造家屋のリノベーションでできることを3つご紹介します。

1.間取りや設備の変更

長年住んでいると、家族構成やライフスタイルの変化によって住みにくさを感じることもあるでしょう。リノベーションによって、住む人に合わせた間取りに変えることが可能です。例えば以下のようなリノベーションが挙げられます。

●和室から洋室に変更する
●リビング横の和室をLDKに取り込んで広々とした空間をつくる
●骨組みだけを残して間取りを一新する
●水回り設備をまとめて動線を良くする
●トイレを増設する

2.耐震補強

現行の耐震基準を満たしていない木造家屋や、過去に浸水被害に遭ったことがあるなど、耐震性に不安がある場合は、リノベーションによって家屋の耐震性をアップさせることも可能です。壁や基礎の補強、屋根や外壁の軽量化、土台や柱などの構造部の接合部分への金物の取付など、耐震補強工事にはさまざまな手法があります。
家の構造や形状、地盤などを考慮して家屋に合った手法の選択が必要です。

耐震補強が目的のリノベーションでは、自治体によっては助成制度を受けられることがあります。条件を満たすことで、所得税の控除や固定資産税の減額などの税制優遇を受けられる可能性もあります。

3.バリアフリー化

高齢になってからも安心・安全に暮らせるように、リノベーションでバリアフリー化することも可能です。玄関アプローチや室内の段差をなくす工事や、廊下やトイレ、浴室の手すりに設置、車いすに対応した設計にすることで、高齢者や体が不自由な人も安心して暮らせる住まいになります。

バリアフリー対応のためのリノベーションをする場合、介護保険の補助金や各自治体による補助金制度を利用できる可能性があります。
条件を満たすと税制待遇を受けられる可能性もあるため、確認してみることをおすすめします。

木造住宅をリノベーションする際に注意すべきこと

木造住宅をリノベーションする際には、次のような点に注意しましょう。

1.希望の間取り変更ができない場合がある

建物の構造によって、室内に建物を支える柱や耐力壁があるケースがあります。その場合、柱や壁もしくは壁内部の筋交いは撤去できません。
そういったケースでは間取り変更が制限されることもあるため、注意が必要です。
施工会社やプロに相談すると、耐久性などの躯体の強度を保ちながら理想の住まいをつくる提案をしてもらえるでしょう。

2.電気や水道の工事が必要になる場合がある

「キッチンやお風呂などの水回りを改装したい」という方も多いでしょう。水回りは特に、目に見える部分の工事だけではなく給水・排水管などの見えない部分の工事も必要になることがあります。
経年劣化した排水や給水は、そのままにすると、漏水のトラブルにもなりかねません。
リノベーションする際に刷新しておくと安心です。

3.耐震性の確認が必要

古い木造住宅の場合、ホームインスペクションと合わせて耐震診断を行うとさらに安心です。柱や梁などの腐朽やシロアリ被害などにより、建物の強度に問題が発生していないかをリノベーションする前に確認するようにしましょう。

補強工事が必要と判断された場合はリノベーション工事と合わせて実施しましょう。

 

木造住宅をリノベーションした事例

木造住宅をリノベーションした事例をご紹介します。

リノベーションで生まれ変わった築38年の木造住宅

コンクリートの映える壁

リノベーション前は壁付けのしてあったキッチンを対面にして、料理しながら家族団らんが楽しめる広いLDKになりました。
またキッチン部分の腰壁は漆喰のグレーを塗装。
床は古材のような無垢のフローリングを採用し、ビンテージライクなおうちになりました。

▽このおうちの詳しい写真を見る
https://miyabi-toki.jp/works/211-used-mansion-house-renovation

さいごに

木造住宅も適切なメンテナンスを行うことで、長く安心して住むことができます。さらに、リノベーションすることでライフスタイルに合わせた間取りや、洗練された外観に変更することが可能です。
建て替えるかどうかを迷う人もいると思いますが、ホームインスペクションなどを活用しながら、リノベーションも選択肢のひとつとして検討してみてください。

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