2024.11.14
不動産

用途地域ってなに?種類や特徴など詳しく解説!

物件探しを始めるにあたって、まずエリアから決める方が多いのではないでしょうか。

エリア選びの際に参考にしたい情報が『用途地域』です。

用途地域はそれぞれの自治体によって指定されていて、この用途地域によって建築できる建物の用途に制限があります。

今回はそもそも用途地域ってなに?その地域だとどんなメリットデメリットがあるの?など解説していきます。

 

用途地域とは

市町村が建築物の用途に応じて工場はここ、商業地はここ、住宅はここと区分している区域のことです。そして、用途地域は「住居系が8種類」「商業系が2種類」「工業系が3種類」の計13種類に分けられます。

細かく地域を分けることでより住みやすく、調和の取れた街づくりが行われています。たとえば住宅地に突然大きな工場や夜も騒がしい飲食店が立ち並んでしまったりなどして、住み心地や安全性が損なわれるてしまうという事態を防ぐことができるのは用途地域が整備されているためです。

次に用途地域それぞれの特徴について説明していきます。

住居系用途地域

住居系用途地域は全部で8種類あります。名前のとおり住環境が優先される地域で、お店や工場などは制限を受けます。

①第一種低層住居専用地域

建物の高さが10mもしくは12mに制限されるため低層住宅、主に戸建エリアの街並みになっています。マンションも建てられるますが、高さの制限があり、3階建てぐらいの高さしか建てられません。

第1種低層住居専用地域は、コンビニエンスストアでさえ建てることができず、クリーニング取次店などの店舗兼住宅・事務所兼住宅ぐらいしか建てることが認められていないため駅から遠かったり、用途地域で一番厳しい制限を受けるため高級住宅街などの場合が多いです。

②第2種低層住居専用地域

こちらも建物の高さが10mもしくは12mに制限されるため低層住宅エリアになります。第1種低層住居専用地域とほとんど同じ制限ですが、床面積150㎡以内の2階建までの店舗や飲食店(コンビニエンスストアなど)が建てられるという点が異なっています。

③第一種中高層住居専用地域

マンションを中心とした中高層住宅や2階建・3階建の戸建・2階建て以内で床面積500m2までの特定の店舗(スーパーマーケットなど)が混在し、主にマンションが立ち並ぶ街並みになっています。店舗もありますがあくまでも住むことを目的とした住居専用地域のため、日当たりや日影など各種制限の内容が厳しく、それほど建物が密集したエリアではなく、オフィスビルも許されていません。

④第二種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域とほぼ同じ制限ですが、第2種中高層住居専用地域は500㎡ではなく、1500㎡までの物品販売を含む店舗・飲食店・オフィスビル・ガソリンスタンドが建てられるという点が異なっています。第一種中高層住居専用地域より日常生活に必要とされる利便施設の立地が認められている地域です。

⑤第一種住居地域

この地域はマンションや、戸建て、店舗・飲食店などが混在する街並みです。混在はしていますが、住居地域であるため大規模な店舗やパチンコ店などは建てられません。住居専用地域ではない為、日陰などの制限がそこまで厳しくなく戸建てやマンションが密集していることが多いです。

⑥第二種住居地域

第一種住居地域と同じようにメインは住居地域なので戸建やマンションが密集したエリアの場合は多いですが、大規模店舗や事務所や遊戯施設を建てることが認められています。そのため商業地域などの近くに設定される場合が多いです。また、第一種住居地域とちがい、パチンコ屋・マージャン屋・カラオケボックスなどを建てることができる点が大きく異なります。

⑦田園住居地域

田園住居地域は2018年4月に新しく導入された住居系の用途地域です。都市部において宅地化されず残っている貴重な農地を今後も保全するための地域で、建築物の建築を行う場合は市町村長の許可を受けなければなりません。制限内容そのものは第1種低層住居専用地域とほぼ同じですが、床面積150㎡以内の2階建までの店舗や飲食店(コンビニエンスストアなど)が建てられるという点が異なっています。

⑧準住居地域

国道や県道などの幹線道路沿いに指定されることが多く、大規模店舗や事務所だけでなく、自動車ディーラー店などの自動車関連施設などの立地が多く見られます。住居地域というイメージは持たれないことが多いです。制限内容は第2種住居地域とほぼ同じですが、準住居地域は150㎡までの自動車修理工場(自動車ディーラー店)を建てることができる点が異なっています。

 

商業系用途地域

商業系用途地域は全部で2種類あります。名前のとおり商業とそれに関連する業務の利便性を促進する地域で、銀行などの各種サービスを受けたりしやすい街づくりが行われています。

①近隣商業地域

周辺や商店街、商業地域周辺の国道や県道などの幹線道路沿いに指定されることが多く、近隣住宅地の住民の利便のために、メインに店舗が立地する地域の事を言います。大規模な商業施設やショッピングモールだけでなく、小規模な工場を建てることも可能です。

②商業地域

ターミナル駅周辺や大都市の都心部に指定されることが多く、オフィス街を形成することが多くなっています。近隣商業地域との違いはャバクラなどの風俗店の建築が可能な点です。また日陰制限もありません。

 

工業系用途地域

工業系用途地域は全部で3種類です。工業とそれに関連する業務の利便性を促進する地域での為、工場が占める割合が高くなっています。

①準工業地域

準工業地域は工業地域の一種とはいっても、公害発生などの恐れが大きい工場の建築は禁止されていて、環境の悪化をもたらす恐れのない工場のみ許されていることから、住宅や店舗が混在し広がっていることも多いです。制限内容は商業地域とほぼ同じですが、商業地域は150㎡を超える工場を建てることができず、一方、準工業地域は、風俗店を建てることが許されていない点が異なっています

②工業地域

工業地域はどんな工場でも建てられるように指定された地域であり、住宅は建てることはできますが住居のために優先される地域ではないため注意が必要です。また。小学校は工業地域には建てられません。

③工業専用地域

工業専用地域では、戸建やマンションなど全ての住宅を建てることが許されていないため、住むことができません。また、お店・学校・病院・ホテルなども建てることができません。

日向の当たる気持ちいい朝を迎えたとある日。

用途地域はどうやって調べるの

用途地域の情報は各市町村のホームページや、役所の都市計画図で確かめるのが確実です。色もだいたい決まっていて、低層住居専用地域が緑、商業系用途地域は赤やピンク、工業系は青系になっています。地図に色がついていない地域は未指定の地域です。さらに用途がまたがっていたり、わかりにくい場所だったりと、判断できない場合もあります。こんなときは自治体の窓口、多くは都市計画課で確認するようにしましょう。

 

まとめ

用途地域はそれぞれ制限があります。そのためエリアによっては利便性や住み心地、日当たりなども変わってきます。ご自身の中で何を最優先でエリアを決めるかが重要になってきます。

第一種低層住居専用地域は閑静な住宅街で子育ても安心してできそうよ考えますが、その分商業施設や娯楽施設などへは少し足を伸ばしていかなければならないかもしれません。

今回の用途地域の説明を参考にぜひ希望のエリアの物件を探してみて下さい。

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