「自然素材の家」と聞くと、木造住宅を連想する方が多いかもしれません。
ですが、鉄筋コンクリート造などのマンションにも自然素材は取り入れられます!
今回はリノベーションする際におすすめの自然素材をご紹介します。
miyabiの手掛けてきた事例写真も交えて解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
”自然素材”はリノベーション・リフォームにも!メリット・デメリットは?
https://miyabi-toki.jp/works/300-used-house-renovation
「都会での生活に自然な雰囲気を取り入れたい」「体に優しい自然素材に囲まれて暮らしたい」そんな方におすすめなのが、“自然素材”。
自然素材とは、合成化学物質をそれほど使っていない天然由来の材料から作られている建築材料を指しますが、取り入れる前に知っておくべきメリット・デメリットがあります。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット
自然素材を取り入れたい方の多くは、「温かみ」や「ナチュラルな風合い」を求める方も多いでしょう。
自然由来である故の優しい風合いや質感は、人工物に囲まれた近代の生活に落ち着きや居心地の良さをプラスしてくれます。
また、無垢材や漆喰など素材自体に調湿効果や消臭効果を持つものも多く、快適面でのメリットも注目されています。
そして、住む人の健康被害を引き起こす建築資材に含まれる化学物質が少ないため、シックハウス症候群や化学物質過敏症に悩まされている方にとっても、心強い味方と言えるでしょう。
近年、国を挙げてアピールしているのが「木材利用によるSDGs」です。
日本は、その国土の2/3程度を森林が占めており、その資源を永続的に活用・維持するための取り組みとして、「内装の木質化」が推し進められています。
無垢材などの自然素材を使うことは環境保護と相反すると思われる方もいらっしゃいますが、森林については定期的に伐採・植林を繰り返すことで、生態系が循環しやすくなり、より自然がいきいき再生することにつながるのです。(参考:林野庁|我が国の森林の循環利用とSDGsとの関係)
デメリット
●コストが割合
●見た目にばらつきがある
●汚れやキズがつきやすい
●経年変化しやすい
メリットが注目されがちですが、リノベーションに自然素材を取り入れる前に、十分理解しておかなくてはいけない注意点もあります。
まず、自然素材のものはコストが高めであるという点です。
確かに、限られた自然資源から作られるため、人工的な材料から大量生産される工業製品と比べると、どうしても値が張ってしまいます。
また、自然素材は温度や湿度によって施工時の扱い方が異なり、熟練した経験と技が必要です。
そのため、一日に施工できる面積は限られ、工事費も高くなりがちです。
しかし、その分得られるメリットは大きいため、ご予算に応じて自然素材と人工的な素材のバランスを考えることが肝心と言えるでしょう。
ここで知っておくべき点が、天然木の「無垢材の色ムラ」です。
木目や節の位置がランダムなのは当然ですし、色ムラは必ずあります。
また、自然素材にこだわればこだわるほど、人工的なコーティングは施されておらず、日焼けなどの経年変化や汚れ・キズが付くリスクは避けられません。
しかし、それらを“味わい”として楽しめれば、きっと愛着の湧く居心地のいい住まいになるはずです。
リノベーションで取り入れられる”自然素材とは?
では、マンションリノベーションにおすすめの“自然素材”とは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、主要なものについて特徴やポイントをそれぞれ解説します。
●無垢のフローリング材
リノベーションに取り入れやすい自然素材の代表格とも言えるのが、「無垢フローリング材」です。
無垢材のみから作られているものだけではなく、表面材にだけ無垢材が取り入れられている挽板フローリング・突板フローリングなどもあります。
ひと昔前までは、無垢フローリング材は熱の影響を受けやすく、床暖房の上には施工できないとされてきましたが、最近は特殊加工された「床暖対応タイプ」もあります。
ただ、マンションリノベーションの場合は、必ず遮音性のあるフローリング材を選ぶか、フローリング材の下に遮音マットを敷き込みましょう。
また、管理規約によって、遮音等級の最低レベルが決められていることもあるため、事前の確認が必須です。
●漆喰・珪藻土などの塗り壁材
https://miyabi-toki.jp/works/200-used-house-renovation
日本に古来から伝わる「漆喰」や、二酸化珪素を含んだ「珪藻土」、火山噴出物を主成分とした「シラス壁」など、自然由来の塗り壁材は多数あります。
これらのメリットは、細かな凹凸のある構造であるため、湿気や匂い成分を抱え込む働きがあるという点です。
そのため、調湿や消臭・脱臭を目的に、自然素材の塗り壁材を採用する方も少なくありません。
左官職人が手作業で作り上げる、自然なテクスチャーや風合いは、インテリアに高級感をプラスしてくれるでしょう。
壁紙のように簡単に部分補修はできませんが、各メーカーでタッチアップ材や補修キットを用意しています。
「全く目立たなくなる」という訳にはいきませんが、万が一汚れやキズがついた場合でも、小面積であればご自身でメンテナンスできます。
●板張り天井・板張り壁
昔から住宅へ取り入れられてきた手法ですが、最近はデザイン的な観点から、ご要望いただきます。
フローリングと木目を合わせてトータルコーディネイトしてみたり、一部の天井や壁だけ板張りにしてインテリアのアクセントにしたりするのがおすすめです。
ホワイトを基調としたシンプルなインテリアでも、一部に板張りを取り入れるだけで、グンとおしゃれなお部屋に生まれ変わります。
板張り天井や板張り壁を取り入れる際の“鉄則”は、フローリングと木目や色味を合わせることです。
まとまりのあるデザインに仕上がります。
ただし、狭い部屋や天井高の低い部屋に取り入れると、圧迫感を強調してしまう恐れがあるため、気を付けましょう。
●石材・レンガ・自然素材由来のタイル
板張り壁と同様にアクセントウォールとして人気なのが、石材・レンガ・タイル材です。
単調になりがちなインテリアデザインに、個性をプラスできます。
写真のようにビンテージ風レンガを取り入れれば、インダストリアルな雰囲気になりますし、大理石を選べばゴージャスな印象のお部屋に仕上がります。
そして、最近人気なのが“機能性壁タイル”です。
漆喰壁などと同じような調湿機能・消臭機能を持つ自然由来のタイル材を採用すれば、デザイン的におしゃれなだけではなく、その空間の居心地もより良いものにできます。
●自然素材の塗料・ワックス
シックハウス症候群や化学物質過敏症の人が増えている中、古くから使われてきた自然素材の塗料・ワックスへの注目が高まっています。
自然素材にとことんこだわりたい方は、ぜひ仕上げ材についてもじっくり検討してみましょう。
自然素材から作られた塗料・ワックス材の代表は以下の通りです。
【柿渋(かきしぶ)】
熟れていない柿を絞った液体を発酵・熟成した着色塗料で、オイルステインのように木目を生かした仕上がりにしたい場合におすすめです。
着色できるだけではなく、防虫・防水・防腐・抗菌効果もあります。
【バターミルクペイント】
牛乳に含まれるたんぱく質が主成分の水性塗料で、人や動物に健康被害を及ぼすVOC(揮発性有機化合物)が一切含まれていません。
通常のペンキなどと同じように使われます。
【蜜蝋ワックス・自然由来のオイルワックス】
蜜蝋(ミツバチの巣を溶かして不純物を取り除いたもの)や亜麻仁油、荏胡麻の油、桐油、ひまわり油などを主成分とした床材用ワックスがあります。
日焼けや乾燥などから表面を保護したり艶出ししたりするために使われ、化学物質から作られたワックスと比べるとナチュラルな光沢感が素敵です。
ただし、化学物質由来のワックスよりもこまめな塗り替えが必要となります。
●畳
日本の住宅建築とは切っても切り離せない「い草」ですが、最近は和室を作るご家庭は減っており、その魅力を知らない方も多いかもしれません。
しかし、実はい草には調湿機能や空気清浄効果があり、独特な香りは体をリラックスさせ、心を落ち着ける効果があるとも言われています。
「和室は使いづらい」という方におすすめなのが、写真のような“小上がり”スペースです。
フローリングの部屋ですと床に座ってくつろぎにくいですが、小上がりを作れば、お子さんの遊び場としてや、ちょっとゴロリとくつろぐ場所として活躍します。
小上がりを確保するスペースがない場合は、フローリングに直接置ける薄い“敷き畳”を取り入れてみても良いでしょう。
さいごに
自然素材から作られた建築材料は、そのリアルなテクスチャーからもたらされるナチュラルで落ち着きのある風合いが一番の魅力ですが、その他にも調湿機能や消臭機能を持つものもあります。
そのため、見た目だけではなく快適面から取り入れる方も少なくありません。
また、地球環境問題の解決へ貢献できるという利点も忘れてはいけません。
木材をふんだんに使った内装にすることは、SDGs実現へ寄与できます。
「快適でおしゃれな家にしたい」「健康的に暮らせるようにリノベーションしたい」「地球に優しい住まいにしたい」という方は、まず私たちにご相談ください☺
お客様の理想の住まいづくりをサポートさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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