2023.10.14
住宅ローン

リバースモーゲージとは?中古やリフォームにも使える?

所有している住宅を担保にして融資を受けることを「リバースモーゲージ」といいます。

毎月の返済は利子のみ。通常の住宅ローンよりも経済的な負担が少なくなることから定年退職後、年金収入で生活する高齢者が老後資金や住宅購入資金を調達する手段として注目を集めています。言葉は聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。

第二の人生を送るにあたって、新たな住まいを探している方もいらっしゃるはず。セカンドライフの住まいを考える際に見逃せないリバースモーゲージについてご紹介しましょう。

リバースモーゲージとは?どんな仕組み?

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして金融機関などからお金を借りることを指します。
モーゲージは抵当権や担保という意味です。
自宅は所有しているが年金だけでは収入が心もとない、高齢者などを対象にした融資制度です。銀行が提供するものもありますが、地方自治体や福祉協議会が実施するものもあります。

例えば住宅ローンを組んだら借入金と返済期間から月の返済額をいくらと決めて、元本+利子を返済していきますが、リバースモーゲージの場合、月々の返済は利子のみ。
元本は、借入者が亡くなった際、担保となっている不動産を売却して返済するという仕組みです。なお生存中の繰上返済や、相続人による現金一括返済も可能です。

最近では、住宅金融支援機構「リ・バース60」など、リバースモーゲージ型の住宅ローンも増えています。
基本的なフローは同じで、これから購入する住宅を担保にしてお金を借り、毎月の返済は利子のみです。

ただし、通常のリバースモーゲージは、医療費、老後の生活、住宅購入やリフォームなど資金使途は自由(公的機関は制限あり)ですが、リバースモーゲージ型住宅ローンは、あくまで住宅ローンなので住宅購入資金としてしか使えません。

単に、リバースモーゲージといったときは、所有している住宅を担保にするので、リバースモーゲージ型住宅ローンとは、厳密には異なるのですが、ひとまとめに扱われることも多いようです。

リバースモーゲージを利用するための要件

住宅ローンを組むときに審査を受けるように、リバースモーゲージを利用する際にも審査があります。

審査を通るための第一の条件は、年齢です。大抵の金融機関は、申し込みの時点で満55歳以上、もしくは60歳以上を利用の条件にしています。
配偶者がいる場合、配偶者の年齢も50歳以上であることが必要です。

年収も、年金など一定額の収入があることが条件になります。
基本的には120万円以上としてることろが多いようです。
これらの条件は数字こと違いますが、通常の住宅ローンと同じです。

また、住宅は最終的に売却されることが前提になるので、他に抵当権が設定されていると融資は受けられません。
さらに住宅の形態にも制限を設けている金融機関がほとんど。日本では建物の評価されにくいため、マンションは不可、土地付きの一戸建てを所有していないと利用できません。
新しい土地が良いなど、資産価値の高いマンションなら対象としている銀行もありますし、リバースモーゲージ型の住宅ローンならマンションの購入も対象になります。

融資額は物件の評価額によって変わります。評価方法は金融機関によってまちまちですが、評価額イコール融資限度額、とはなりません。
評価額の50%から70%が、融資限度額の目安となります。

リバースモーゲージのメリットとデメリット

リバースモーゲージのメリットについて

リバースモーゲージ最大のメリットは、自宅を売却せずに済むので、今の住まいにそのまま住み続けられること。
売却すればまとまった現金収入がえられますが、その後の住まいを探さなければなりません。しかし、リバースモーゲージなら高齢でも融資を受けられますし、今後の住まいについても心配は無用です。

月々の支払いも基本的には利息だけ。通常の住宅ローンに比べて返済の負担は軽くなるものの、リバースモーゲージの特徴です。
利息を元本の返済と一括して支払う返済方法もある、これならさらに負担は軽減されます。

若い頃に購入した住宅ローンがまだ残っていて、定年後も返済を続けなくてはいけない方は、リバースモーゲージ型住宅ローンへの乗り換えで、定年後の返済を楽にできます。

持ち家には将来、相続の問題が発生します。
既に子どもが独立していて自分たちとは別に住まいを構えていたりすると「自分が死んだあとはどうすればいいのか」、「家を残すことが子どもたちの負担になるのでは」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その点、リバースモーゲージなら元本返済のために、住宅は最終的に売却されるので、金銭面も含めて相続する側の負担はかなり小さくなります。
売却価格が返済額を上回れば、子どもがその分の現金を受け取れます。
※相続税や所得税が発生sるうケースもあります。税理士や銀行にご相談ください。

リバースモーゲージのデメリットとリスク

ここでデメリットやリスクについても目を向けてみましょう。

ここまで「元本は担保となる住宅を売却して返済」と繰り返し書いてきましたが、実はちょっと注意が必要な部分です。

住宅の不動産評価は変化していくもの。銀行も数年に一度は評価を見直し、融資限度額をその都度変更します。その際にこれまでに融資した金額が新たに限度額を超えた場合、その差額、または元本金額を返済するよう求められることがあります。

相続人に残高の支払いという負担が残ることもあります。利用には推定相続人全員の同意が必要になるので、子どもの理解が得られず利用できない人も存在するようです。
(返済額と売却額の差額を相続人が支払う必要のない「ノンコース型」のローンも存在します。)

また、リバースモーゲージには固定金利タイプはなく、変動金利が原則です。月々の返済は利息分だけ、といっても金利が急に上昇したりすれば家計を圧迫する可能性もあります。

最近では、「人生100年」などと言われるように、平均寿命は長くなる一方ですが、実は「長生き」も。リバースモーゲージの利用にあたってはリスクになるのです。
長生きするほど借入額も多くなりがちで、途中で借り入れが融資限度額に達してしまうこともあるからです。

資産を活用して、老後の経済的な余裕を得られるリバースモーゲージですが、特徴をよく理解しておかないと、思わぬトラブルにぶつかることもあります。
デメリットやリスクも、事前にしっかり把握したうえで計画的に利用しましょう。

中古住宅でも利用できるの?

リバースモーゲージ型住宅ローンは、これから購入する、建てる住宅が持ち家であれば融資を受けられます。
新築、建て替え、そして中古住宅の購入ももちろん大丈夫です。

中古住宅の購入に際してリバースモーゲージを利用する場合、その住宅が新耐震基準に適合している(1981年6月以降に建てられている)ことが必要です。

リフォームでも使えるの?

リバースモーゲージで借り入れたお金を、リフォームの費用に充当するのも可能です。
中古住宅と同じく、リフォームする住宅が新耐震基準に合致している、もしくはリフォーム後の耐震性が新耐震基準に達することが条件になります。

リフォームした住宅は、親族に賃貸したり、3年以内の定期借家契約とすれば第三者への賃貸もできます。
借入金は、サービス付き高齢者住宅(サ高住)の入居一時金にも充てられるので賃料収入を得られる可能性も広がります。

生活の基盤である住まいとお金の両方を同時に解決できる可能性を秘めているリバースモーゲージ。第二の人生を過ごすための住まいをお探しなら、一度利用の検討をしてみてはいかがでしょうか。

 

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