住宅セーフティーネッ制度をご存知でしょうか。ニュースで聞いたことがある！という方も多いかと思います。

住宅セーフティーネットとは、高齢者や障がい者などへの安定的な住宅供給を目的として2007年に創設された法律です。2017年に改正法が施行され、空き家・空き室に悩む大家さんに対して財政支援策が盛り込まれています。

今回はセーフティーネット住宅のメリット、デメリットや入居条件・費用など詳しく解説していきます。

セーフティーネット住宅とは

セーフティネット住宅とは、住宅セーフティーネット制度により定められた住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅です。

住宅確保要配慮者とは、居住に課題を抱える人たちを指していて低額所得者、高齢者、障がい者などが住宅セーフティーネット法では【住宅確保配慮者】と定義されています。

低家賃の住宅が少なく住宅確保配慮者は賃貸住宅を借りる際に入居拒否の傾向があり、今後も居住に課題を抱える人たちの増加が見込めれています。そういった問題を解決するためにできたのが民間の空き家を活用した住宅セーフティーネット制度です。

引用：https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001226836.pdf

住宅確保配慮者の範囲

住宅確保要配慮者の範囲は以下のとおりです。

①低額所得者（月収15.8万円（収入分位25％）以下）

②被災者（発災後３年以内）※災害後３年以上経過した・東日本大震災等の大規模災害の被災者

③高齢者

④障がい者

⑤子ども（高校生相当まで）を養育している者

⑥住宅の確保に特に配慮を要するものとして国土交通省令で定める者(※外国人のほか、中国残留邦人、児童虐待を受けた者、ハンセン病療養所入所者、ＤＶ被害者、拉致被害者、犯罪被害者、矯正施設退所者を指している)

住宅登録の基準

登録の際には、住宅の規模、構造等について一定の基準に適合する必要があります。主な基準は下記のとおりです。

①床面積が一定の規模以上であること※ 各戸25㎡以上

②耐震性を有すること

③一定の設備（台所、便所、洗面、浴室等）を設置していること

④家賃が近傍同種の住宅と均衡を失しないこと

⑤基本方針・地方公共団体が定める計画に照らして適切であること 等

セーフティーネット住宅のメリット

セーフティーネット住宅の一番のメリットは居住に課題を抱える人たちであっても入居を拒まれないことです。ほかにも、居住面積など、国土交通省が定める基準を満たしている住居に住むことができ、都道府県が指定する居住支援法人等から、入居相談、生活相談、見守りサービスなどのサポートを受けられます。また、家を貸す側にとっても、改修費補助があったり、家賃低廉化補助や、家賃債務保証料補助などがあり、今まで賃貸人が抱いていた住宅確保要配慮者の入居に対して以下のようなネガティブな意識を軽減することができます。

セーフティーネット住宅のデメリット

またセーフティーネット住宅のデメリットとしては、制度が始まって日が浅く対象物件が少ないことや、空き家利用の場合「居室面積が狭い」「築年数が古い」「駅から遠い」など条件が整わないケースがあったり、入居者は何かしらの事情を抱え、精神的に不安定な状態にあることなどが想定され、トラブルが起こる可能性があるといった面もあります。

まとめ

現在の日本は、高齢化などが理由で、住宅確保に配慮が必要な人が増加すると考えられます。また、大地震などの災害もなくなることはありません。災害時には多くの人が家を失うことが想定されます。

そういった状況を打開するためにもセーフティーネット住宅は重要な存在となっていきます。

人口減少により空き家や空室の増加が予想され、それに伴う治安の悪化や荒廃による倒壊の危険など、社会問題になりつつあります。そういった問題も解決するための住宅セーフティーネット制度について理解を高めていく必要があります。

スムーズに手続きを行うためにも、早めに専門家に相談してみましょう。

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